安倍内閣の支持率が激減！
異変の元は、首相のお友達ジャーナリスト山口敬之氏の準強姦事件。これが報道された直後に53％程度だった内閣支持率が一気に26.7％になった！これまで、普通の内閣なら倒れてもおかしくないスキャンダルを食らっても下がらなかった支持率がなんと半減したのだ。そして、これを結果したのは、一人の勇気ある女性の行動だった。
鬼海さんの話を書くつもりだったが、きょうはこの事件を取り上げるしかない。
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夕方、つけっぱなしにしているテレビに目をやったら、ちょうどTBS「Nスタ」で、山口氏について報じていた。思わず「おお、ついにTBSが報じた！」と声を上げテレビに見入った。
きょう衆議院本会議で、性犯罪を厳罰化する刑法改正案がで審議入りしたが、野党が、山口氏の事件の検証をもとめたのだった。国会まで行ったとなれば、さすがに報じざるを得まい。
刑法改正案は、強姦罪の刑の下限の引き上げや、起訴に被害者の告訴が必要となる「親告罪」の規定の削除などが柱だ。私は大賛成。
これに関連して、準強姦容疑で山口氏にいったん逮捕状が出たものの、直前で取り下げられた経緯を検証せよと民進党が質問した。
逮捕状を握りつぶしたのは誰か。
「週刊新潮」（2017年5月18日号）によると、警視庁刑事部長（当時）だった中村格氏が取材に応じ、「事件の中身として、（逮捕は必要ないと）私が決裁した。（捜査の中止については）指揮として当然だと思います。自分として判断した覚えがあります」と回答したという。
実は、中村格氏は、第二次安倍政権発足時に菅義偉官房長官の秘書官を務め、菅氏から絶大な信頼を得ている人物で、現在は警察庁組織犯罪対策部長となっている。「共謀罪」法案で最も注目される部署の長である。
さらにその中村格氏、別の「事件」でも活躍していた。
《一月二三日の最初の「I am not ABE」発言の直後、なんと番組放送中に、まず中村格官房長官秘書官（当時）から、報道局ニュースセンター編集長の中村直樹氏に電話があったという。たまたま中村編集長が電話を取り損ねると、今度はショートメールが入った。テレ朝関係者に聞いた話では、その内容は「古賀は万死に値する」といったような、強烈な内容だったそうだ》
これはテレ朝「報道ステーション」を降板させられた古賀茂明氏の証言。近著で明らかにしているという。（『日本中枢の狂謀』（講談社））http://lite-ra.com/i/2017/06/post-3211-entry.html
あるテレビ局の局員のレイプ事件をもみ消す一方で、別のテレビ局の番組から不逞の輩を追放するという「剛腕」ぶりだ。安倍内閣のお庭番といったところか。テレビ局も震え上がろうというもの。
それにしても、一度は潰されたレイプ事件をここまでの大きな政治問題にしたのは、ひとえに被害者、詩織さんの勇気ある行動だった。途中、「レイプがどれだけ恐ろしく、その後の人生に大きな影響を与えるか、伝えなくてはいけないと思いました」と語ったときには、さすがに声を詰まらせたが、冷静にしっかりと語っていた。顔と名前を晒して訴える詩織さんの表情は凛として、実に美しいと思った。
http://www.news24.jp/articles/2017/05/30/07362823.html
https://www.youtube.com/watch?v=LWaRW77tUE0
詩織さんに対しては、いわゆる「ネツウヨ」が「2年前の話を、なぜ、いまごろ会見するのか」、ハニートラップ、民進党の陰謀、正体は在日、糞女と口汚い誹謗を浴びせている。
では、なぜ今なのか？
「本当は私も、被害者として外に出るなんてイヤです。でも顔を隠して、名前を隠して話していても、誰も聞いてくれないということが、この2年間で本当によくわかったんです。そして、誰かが話さないと、これからも同じような大変なことが起きてしまうと思った」（詩織さん）
だから、国会で強姦罪の法改正が話し合われているタイミングで、法律や制度を変えるためのきっかけになればと、声を上げたのだという。意図は明確である。いわば、世のため人のために立ち上がったのだ。
私はむしろ、普通は打ちひしがれて考えたくもない自らのレイプ事件を2年間も追及してきた精神力に感嘆した。
おそらくある種の薬を仕込まれたのだと推測するが、詩織さんは、意識が切れ切れのままホテルに連れ込まれた。レイプされたあと、詩織さんは警察に届けるとともに、その夜何があったかを自ら調べ出す。そしてついに、彼女と山口氏を乗せたタクシーの運転手を探し出す。その証言やホテルの防犯カメラの映像から、一人で歩けない詩織さんを、山口氏が抱きかかえ引きずるようにして部屋に向かったことが判明した。
完全に準強姦罪が成立すると思う。
ちなみに「準」がつくから強姦罪より「軽い」とか悪質度が低いというわけではない。強姦罪が「暴行又は脅迫」を手段とするのに対して、準強姦罪は「心神喪失若しくは抗拒不能に乗じること」又は「心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせること」を手段とする。つまり、薬で前後不覚にさせたり、麻酔中の患者や性交渉の意味が分からない知的障害者を姦淫したりという場合である。法定刑も強姦罪と同じ「3年以上の有期懲役」である。
こういうおぞましい犯罪が、権力者のお友達グループなら罪に問われないということになれば、お友達なら美味しい利益供与が受けられるという森友学園や加計学園の問題と同じ構図であり、「日本ってこんな国だったんだっけ？」と落ち込みそうになる。
でも、あきらめちゃいけないな。詩織さんの勇気を見習わなくちゃ。
この問題、以下の記事が分かりやすいので紹介しておきます。
【レイプ告白】「あの夜、なにがあったのか」詩織さんと山口氏 それぞれに聞いた
https://www.buzzfeed.com/jp/kazukiwatanabe/20170601?utm_term=.abJddxbvJx#.wu9nnMRdBM
