カンボジアの絹織物の村がコロナ禍で危機に

 きょうは七夕で、あいにくの雨。節季は小暑(しょうしょ)に入った。梅雨が終わるころなのだが、きょうも九州では大雨で豪雨による死者が50人を越えたという。早く雨が止んでほしい。
 被災者の方々に心からお見舞い申し上げます。
 7月7日から初候「温風至(あつかぜ、いたる)。同じ南風でも、梅雨時は「黒南風」、梅雨が明けると「白南風」と呼ぶそうだ。
 12日からは次候「蓮始開(はす、はじめてひらく)。17日からが末候「鷹乃学習(たか、すなわちわざをならう)。鷹のヒナが、飛んで獲物を捕る技を覚えていくころという意味だ。

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雨に濡れて咲くアガパンサス。agape(アガペ 愛)とanthos(アントス 花)で「愛の花」

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 7月3日は、3年前に亡くなった森本喜久男さんの命日だった。

 このブログで何度も紹介したが、森本さんは絶滅寸前だったカンボジア伝統の絹絣(きぬがすり)の伝統を復活させ、養蚕から布の仕上げまでの全工程をおこなうことができる村「伝統の森」を作り上げた。

 森本さん亡き後、彼が設立した事業体IKTT(クメール伝統織物研究所)は、日本人とカンボジア人の協同の努力で運営されてきたが、いまコロナ禍の影響で売り上げが激減し、存亡の危機に立たされているという。
 支援を呼びかけているので、関心のある方はどうぞご検討ください。

 商品と引き換えのクーポンによる支援もあります。この機会に、手練れの職人の手による伝統の絹絣はいかがですか。

 

 思い出すのは2014年1月、森本さんから直接に「ぼくの余命はあと2年」と聞き、何か自分にできることがないかと考えた。

takase.hatenablog.jp

 2015年から私は、彼が若い人に残すメッセージを本にまとめる作業に入り、彼の生き方をテレビでも知らせようと番組に売り込んだ。
 『自由に生きていいんだよ~お金にしばられずに生きる“奇跡の村”へようこそ』の出版が2017年3月15日、『情熱大陸』の放送が同じ年の4月9日で、かろうじて存命中に間に合ったのは、ほんとうに幸運だった。

 2017年6月14日、つまり亡くなる19日前、に森本さんは福岡で「手の記憶」と題する講演を行っている。
 もうかなり辛そうだったが、講演が始まると、熱のこもった語りを聞かせてくれた。森本さんを偲ぶよすがとして紹介したい。

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