デモ規制が「決壊」した日

ストレスフルな日々がつづき、ブログをだいぶ休んでしまった。
週末には資金繰りで、かなり多くの取引先に支払い遅延のお願いをしていた。
相手はほとんど零細企業や個人でやはり資金繰りが楽でないところばかり。申しわけないのだが、一ヶ月待ってください、と頭を下げてお願いすると、お互いさまと多くが協力してくれる。みなさんの助けがあってやっていけるんだなと実感するのが月末である。
なんとか今月末も越すことができて、ほっと一息。
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きのうの国会前の集会は、12万人で最大規模だったそうだ。
テレビを見ていなかったので、今朝、東京新聞の1面の写真を見て驚いた。
車道も人で埋まっているではないか!
国会前で集会・デモがあると、地下鉄駅構内からこっちの出口から出ろと規制され、横断歩道の渡り方まで指示されるのが窮屈でいやだった。日本のデモ規制はやりすぎだ。
車道にはみだすなどとてもできそうになかったが、きのうはあまりの人数で規制の壁が「決壊」したのだ。
東京新聞によると;
《午後1時40分
 国会正門付近の歩道にひしめく群衆から「決壊したぞ」と叫び声が上がった。デモは歩道だけで行うよう規制されていたが、一部の人たちが警察官の制止を振り切り、車道と歩道を区切っていた鉄柵を乗り越えると、雪崩を打って次々に車道に人が流れた。あっという間に正門前の車道は人で埋め尽くされた。》

「決壊」の瞬間の動画がある。
https://m.youtube.com/watch?v=g-cTh3cdAe4
おめでとう!といいたくなる。
久しぶりに、「民衆の力」を見た感じがした。
昔々、フランスデモで道路を占拠したことがあったが、あの開放感を思い出す。
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きのう母親が電話してきて、「お父さんのシベリア抑留の体験を娘が描いた漫画があるとテレビで見た。その本を読みたい」という。
めったに本を読まない母なのに。
これも安保法案のせいだな。

安倍政権ができてから、「いったい日本はどこに行くのかね」と言うようになっていた母は、この夏の終戦がらみのテレビ番組をいつもの年より熱心に観たようだ。
おざわゆき『凍りの掌(こおりのて)』(小池書院)
読んでみた。力作である。
「暖かく、やさしいタッチのマンが表現なのに
そこには『シベリア抑留』という氷点下の地獄図が
深く、リアルに、静かに語られている」(ちばてつや
シベリア抑留という、想像力がついて行くことさえ困難な異次元の体験は、こういう漫画の形で伝えられるのがむしろ適当かもしれないと思えた。

フィリピン山中で餓死していった兵士たちとはまた全然違うシベリア抑留の体験。
あの戦争が生んだ「地獄」は多様だった。