王様は向こう側?

takase222014-05-27

プランターに可愛い花が咲いているなと思ったら、かみさんが今年はサヤエンドウを植えたのだという。
花が終わるとたちまち実がついたので収穫。大きさは全然違うが、花の感じがスイートピーに似ている。スイートピー、ピーというからにはマメ科だから当たり前だ。とったサヤエンドウは味噌汁にでも入れるか。
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きのうの朝日歌壇に南相馬市の池田実さんの歌が2首選ばれている。

はらはらと浪江の土手に舞う桜しばし忘れる胸の線量計

除染終え飯場へ帰る車窓にはガレキ踏みしめ睨む猪(しし)見ゆ

今日の夕刊に池田さんのことが載っていた。
もともと東京在住で昨春までは郵便配達員だそうだ。61歳というから私と同じだ。定年を迎えて復興の役に立ちたいと福島第一原発に関係する作業を希望したが、技能面などが条件に合わず、除染作業を選んだという。歌を詠むのは初めてだが、福島の現実を目の当たりにして「言葉が降ってきた」という。
先週の歌壇にも2首入選している。

除染する熊手の上に降る花弁愛でられず散る浪江の桜

どれくらい除染すれば人は帰るだろう自問を胸に刈る浪江の草花

桜が満開なのに、花を愛でる人間がいない情景。
「言葉が降ってきた」か・・

今週の歌壇を眺めていたら(奈良市)直木孝次郎という名前がある。
古代史で有名な直木先生ではないか。2首も入選している。

四人の子つぎつぎ戦死せしという無残なるかないくさというもの

わが伯母は戦死の公報さしおきてわが子孤島に住まうと思いき

戦争の歌を詠むのは、ひょっとしてご時勢への警鐘か。
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タイ国王がクーデターにお墨付きを与えた。
やはり国王の「重し」がないとやっていけないのだ。
《プラユット陸軍司令官は26日、プミポン国王から国家運営の権限を持つ国家平和秩序評議会の議長として正式な承認を受けた。バンコクの陸軍本部で勅令拝受の式典を終えた後プラユット氏は、予定されていた暫定憲法の発表を見送り、代わりに報道陣に声明を発表した。このなかで「今後最も重要なのは立法と改革を進める組織を設けることだ」としたが、具体的な今後の行程については語らなかった。》(朝日新聞)
司法権力、軍の暴力、国王の権威すべてを動員してタクシン派を露骨につぶしにかかったわけだが、うまくいくとは思えない。バンコクでは反クーデターデモが4日間続いている。
タイではクーデターは20回も起きて日常茶飯事、騒ぐことないよ、との見方もあるが、以前とは民衆の意識が違っているように思う。今回のクーデターで、タクシン派を支持する貧しい農民たち(タイ国民の多数派)のあいだに「王様は『向こう側』なのだ」という認識が広まっていくのではないか。
何かが底流で激しく動いている気配がする。