集団自衛権行使容認は「禁じ手」だ

takase222014-04-20

ドウダンツツジが可憐な花を咲かせている。
「ドウダン」とは何だろう。ネットで検索すると「枝分かれしている様子が昔夜間の明かりに用いた灯台(結び灯台)の脚部と似通っており、その「トウダイ」から転じたもの」とある。花ではなく枝のようすからついたという。
「満天星」という優雅な漢字表記をもつ。
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集団自衛権行使容認へ前のめりの安倍政権。
安倍首相は最低限の民主氏主義のルールをわきまえていないことがはっきりした。
集団的自衛権容認は、とんでもない暴挙だと思うのだが、世間ではあまり大きな問題として扱われていないようだ。
私は、9条2項は変えるべきだと考える「改憲派」であるが、今の安倍首相の目指す方向はとうてい承認できない。こうしたなかで、安倍首相の暴走を食い止めるには、護憲派改憲派とが共闘する方法を探ることが必要だと思う。

水島朝穂早大教授の「安保法制懇の『政局的平和主義』―政府解釈への『反逆』」(世界5月号)を読んでその感を強くした。
彼は学生時代からの友人なので「水島君」と呼ばせてもらうが、護憲運動の先頭に立つ法学者だ。
《筆者は憲法研究者として自衛隊違憲論に立つが、本稿では、あえて政府解釈を基軸におき》《その「自衛隊合憲論」と安倍首相の集団的自衛権の行使合憲化は整合しないことを明らかにする》という。
この論文は、これまでの政府解釈(本来水島君は批判するのだが)もとにして、安倍首相の目指すものが、これといかにかけ離れており、矛盾するものであるかを明快に証明している。
論文冒頭の問題提起に、なるほどと頷いた。

箕輪登という小樽出身の政治家がいた。自民党衆議院議員を八期つとめ、八〇年代初頭には党の国防部会で「有事法制」箕輪案をまとめたこともある。防衛政務次官郵政大臣などを歴任したこの保守政治家が、二〇〇四年一月、自衛隊イラク派兵差し止めを求める訴訟を起こして世間を驚かせた。》
《彼が訴えたのは、「国是とされてきた『専守防衛』の立場」の厳守である。「自衛隊員に本来の任務に反する行為を行わせ、・・・自衛隊が、戦後初めて、他国民と戦闘を交え、加害者・被害者を出すことが現実のものとなっている」(訴状より)。》
安倍晋三首相が内閣法制局長官の首をすげ替えてまで政府の憲法九条解釈を変更しようとしている今、状況をこの箕輪ライン(「専守防衛」)にまで引き戻すことは、立憲主義と平和主義の崩壊を阻止するという観点から重要な意味を持っている。》

この「箕輪ライン」を守るという一点で、護憲派だけでなく、改憲派のかなりの部分の同意を得られるのではないか。

また、同じ号に載っている村上誠一郎衆院議員のインタビュー「日本は『ワイマールの落日』を繰り返すな」は、自民党幹部(大臣歴任者)からの今の状況への戦闘宣言とも言うべき内容だ。
閣議の決定で解釈を変え、それに基づいて自衛隊法を改正するということは、下位の法律によって上位の憲法の解釈を変えるという、絶対にやってはいけない「禁じ手」です。これは誰がどう言おうと認められない。》
以下、次回。
(つづく)