サムスンの本当のすごさ 2

takase222013-01-13

中国の『南方週末』紙事件の反響はすばらしい。
他の新聞社が大っぴらに連帯を表明し、人気女優がネットで支持発言をする動きにまで発展している。
事前検閲を「中止」または「緩和」するという形で収束をはかっていると伝えられるが、これが事実なら画期的なことだ。
すぐに大きな体制変動にはなるまいが、歴史的事件として記録されることになるだろう。
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山形県知事で現職の吉村美栄子氏(61)が無投票で再選を決めた
知事の無投票当選は、山形では54年ぶり2度目だという。
《吉村氏は前回、民主、共産、社民各党などの支援を受けて立候補し、現職との一騎打ちを小差で制した。主婦歴30年以上。当初は県議会最大党派の自民党との対立もあったが、対話を重視し溝を埋めていった。
東日本大震災後は全国最多の避難者を受け入れ、被災地のがれき処理や牛肉の放射性物質検査を全国に先駆けて決断。滋賀県嘉田由紀子知事と「卒原発」も提唱した。昨年6月に再出馬を表明すると、県内全35町村の首長が支援の会を立ち上げた》(朝日新聞11日)
やるべきことをどんどんやっていったら、自民党をも取り込んでしまったという構図か。
福島県原発事故被災地の首長たちといい、嘉田由紀子知事といい、このところ、地方自治体の首長に存在感を感じる。中央の政治家があまりに情けないからか。
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さて、サムスン
各紙とも日本の11月の経常収支が2224億円の赤字と、過去2番目の大きさになったことを伝えている。

経常収支とは「貿易収支」「サービス収支」「所得収支」「経常移転収支」の四つの取引の収支の総計で、とくに今は貿易収支が酷いようだ。
財務省が11日発表した国際収支によると、貿易赤字は前年同月を2586億円上回る8475億円となり、比較ができる1985年以来で2番目に大きくなった。輸出の不調に加え、スマートフォンの新機種の発売で通信機器の輸入が増えたためで、経常赤字がふくらむ最大の要因になった》(朝日新聞
やっぱり、ここでもスマホか。
電機といえば日本の最も特異な分野だったはずで、花形の電機製品を大量に輸入する時代が来るとは、十年前は想像もできなかった。
なぜ日本の家電がダメになったのかについては、いろんな議論がある。
面白かったのは、年末の東京新聞の「独白―家電危機編」。パナソニック、シャープに勤務していた幹部が直言するシリーズ記事で、シャープの元役員がこんな批判をしていた。
《どこにもない製品を作るという創業の精神は確かに必要だ。でも日本のメーカーが作る家電は買ってから一度も使わないような機能ばかり付いている。供給者の都合だけで作るからだ。いま一番必要なのは消費者の目線だ。これに尽きます》(東京新聞12月20日
確かに、きっと死ぬまでこんな機能は使わないだろうなと思うことは多い。これでもかとばかりに「高性能」を追求されても、使う側は戸惑ってしまう。
手を抜かずに「最高」を目指す・・・
良いものを作れば売れるはずだ・・・
「日本の強みは【ものづくり】」という神聖な呪文が、技術者の自己満足で製品開発する弊害を生み、サムスンとの対決でボロ負けした重要な要因だったと指摘する人は多い。
(つづく)