北朝鮮に改革開放の兆しなし

takase222012-04-15

きのう、「胃ろうしますか?」と尋ねた父を病院に見舞った。
「胃ろう」をするかどうか聞いたのが先月17日で、そのときから1.5キロ体重が増えていた。今は三食、ほとんどたいらげるほど食欲旺盛になっているとか。反応も一ヶ月前よりずっと良くなっている。
なぜこんなに「回復」したのか、よく分からないが、「胃ろう」の選択を迫ったことで「発奮」したのかも知れない。
きのう午後は「お花見会」だったのだが、あいにくの雨で、室内で歌を歌って楽しんだ。
花、青い山脈、高校三年生、さくらを歌って、ノンアルコールビールで乾杯。ちゃんとビールの味がした。
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ミサイルを、食糧支援を引き出す「交渉カード」などという見方が続いていたが、今回の発射を見て、いいかげん目を醒ましたらどうだろうか。
ミサイル発射は多少食糧や燃料をもらって引き合うものではない。だいたい、今回の発射で不足食糧の6年間分がパーになったとの推定もある。

北朝鮮が13日に失敗した人工衛星打ち上げと称する長距離弾道ミサイル発射で韓国軍の高官は14日までに、今回の打ち上げに要した費用は8億5000万ドル(約690億円)と推定していることを明らかにした。
韓国の聯合ニュースが伝えた。慢性的な食糧不足にあるとされる北朝鮮住民の約8割に当たる1900万人へ年間を通じての食事提供をほぼ賄える金額としている。世界銀行によると、北朝鮮の総人口は2010年時点で2430万人。
韓国軍高官は、北朝鮮は40万トンの食糧不足に毎年直面していると指摘。今回の発射に費やした財源を食糧確保に回せば、住民が6年間飢えなどに苦しむことはなかっただろうとしている》(CNN)
もし、撃たないでアメリカから食糧をもらっていたら(割には合わないが)「交渉カード」と言えなくもなかったが、撃った結果、もらえなくなってしまった。これでどうして「カード」などと言えるのか?
《米政府は13日、北朝鮮弾道ミサイル発射実験を受け、ウラン濃縮活動などの一時停止をめぐる2月末の米朝合意に基づく食料支援を中止すると正式に発表した。また、北朝鮮の核実験実施の可能性に懸念を示すとともに、挑発行為が続けば、制裁を強化すると警告した》(ワシントン時事)
そもそも、核・ミサイル開発というものは、とんでもない資金と人材、労力が要る。何かモノをもらう交渉のカード作りなどであるわけがないではないか。
北朝鮮は、1990年代後半、300万人の国民を飢えで死なせながら、大事な外貨と最高の頭脳をつぎ込んで、核・ミサイル開発に邁進していたのである。着々と核武装に向かって走り続けているのだ。
核・ミサイル=「交渉カード」論者は、北朝鮮は本気で核武装するつもりではなく、こちらが融和策を採れば、取引して核武装から「おりる」と主張していた。「融和策」という結論が先にある議論なのだ。
でも、北朝鮮の指導者自らが、きょう、軍事優先の路線を踏襲するぞ、私がトップになっても全然変化はないぞと演説した。
金日成主席誕生100周年を記念し15日、平壌で開かれた朝鮮人民軍の軍事パレードを前にした演説で、北朝鮮金正恩第1書記は「原子爆弾」という言葉を使い、米国の核戦力に対抗できる核戦力を整備したことを示唆した。
 朝鮮中央テレビが報じた映像では、自走砲や対艦・対空ミサイルのほか、射程3000キロ程度の「ムスダン」とみられる弾道ミサイルが次々に登場した。
 韓国の聯合ニュースによると、今回公開された兵器・装備は34種類880台余りで、金正日総書記が演説した1992年4月の軍創建60周年の記念パレードの際の26種類707台を超え過去最大規模。数では「武力を誇示した」(韓国軍筋)といえそうだ。
 韓国メディアによると、北朝鮮大陸間弾道ミサイルICBM)級の新型ミサイル」を初披露。聯合ニュースは、射程5000〜6000キロのICBMの可能性があると報じた》(産経)
融和策で北朝鮮を変えるなどという幻想は捨て、核武装を本気で進めるあの体制を一日もはやく崩壊させたいものだ。