米・イランの緊張をそっちのけで首相はゴルフ

 きょうが仕事始め。年賀状へのお返しを出し、いくつかのトラブル処理をして一日が終わった。

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オフィス前の小川町交差点

 節気は小寒(しょうかん)に入る。「寒の入り」だ。寒が明けるのは立春になる。
6日から初候の「芹乃栄」(せり、すなわちさかう)。11日からが次候「水泉動」(しみず、あたたかをふくむ)。16日からが末候「雉始雊」(きじ、はじめてなく)。
 しのびよる春の気配を感じさせる表現になっているものの、本格的な寒さはこれからだ。
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 トランプ米大統領は5日、イランへの大規模な報復を警告するとともに、米軍がイラクからの撤退を強いられ、イラクが軍事基地の建設費用を補償しなければ、同国に厳しい制裁を科すと語った。
 ソレイマニ司令官殺害のあと、トランプ大統領が立て続けに挑発的放言を行い、緊張をますます高めている。
 4日、トランプは、イランが報復した場合、アメリカはイランの民間施設、文化施設、軍事関連施設の計52カ所を攻撃すること、そして米軍が攻撃目標のリストをまとめたことを明らかにした。翌日ポンペオ国務長官は、標的リストには、イランの高官と軍幹部が含まれていると付け加えた。
 イランでは5日、殺害されたソレイマニ司令官の葬儀が行われ大群衆が追悼に加わった。イランでは11月から、ガソリンの値上げを引き金に反政府デモが全土で発生し、数百人の死者が出たと報じられたが、一転して反米で団結しているとBBCは伝えている。
同日、イラン政府は「今後イランはウラン濃縮および核燃料の備蓄、そして核の研究開発のレベルに対するいかなる制限にも縛られない」と発表した。

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司令官の柩を大群衆が迎えた(テヘラン

 同日、イラク議会は、法的拘束力はないものの、170対0の全会一致で駐留米軍に国外退去を求める決議を可決した。イラクには現在、過激派勢力「イスラム国(IS)」と戦う国際有志連合に参加する形で、約5000人の米兵が駐留している。
 トランプ大統領は「イラクには法外な費用を要した空軍基地がある。(略)イラクがこの費用を支払わない限り、われわれは去るつもりはない」と発言。「駐留米軍の撤退が要請され、非常に友好的な実施の運びとならなければ、われわれはかつてないほどの制裁を科すことになるだろう」と続けた。アメリカが支援してきたイラクを脅迫したのだ。
 いつもの恐ろしく幼稚な金勘定ベースの放言だが、この人は自らの言動がどれほど危険なものかを自覚していないのか。いや本当に、戦争の一つや二つやってやろうじゃないか、とでも思っているのか。
 イランを支持するレバノンイスラムシーア派民兵組織ヒズボラは5日、米軍の基地から軍艦や部隊に至るまで、あらゆるものが報復攻撃の対象だと警告した。

 一歩間違えば戦争になるという、ひりひりするような緊張状態になっているというのに、わが首相はどうしているのか。

 殺害事件翌日の4日の「首相動静」は;
 午前7時33分、東京・富ケ谷の私邸発。
 午前8時24分、千葉県袖ケ浦市のゴルフ場「カメリアヒルズカントリークラブ」着。籔本雅巳錦秀会グループCEO、義弟の松崎勲氏らとゴルフ。
 午後3時1分、同所発。
 午後4時49分、私邸着。
 午後10時現在、私邸。来客なし。

 安倍首相は、アメリカとイランの「仲介役」を買って出たはずでは?
 会議一つ開かないとは、全く危機意識がないのだろう。こちらが怖くなってくる。