大使が陸自宿営地に宿泊する南スーダンの危険度

きょう発売の週刊文春の《鳥越俊太郎 「女子大生淫行」疑惑》という特集が騒ぎになっている。
ある「有名私立大学」のメディア関係のゼミに顔を出していた鳥越氏が、2002年の夏、ゼミの女子大生(当時2年生、20歳)を別荘に誘い、性行為を迫ったという疑惑だ。記事の中心は、その元女子大生の当時の恋人で、現在は夫である男性の証言となっている。
実は私は、この話を当時から聞いていた。その大学のメディア関係のゼミでは、現役の新聞記者やテレビマン、フリージャーナリストなどを講師として呼んでいたが、私も同じころ講師としてゼミに出入りしていたからだ。いつもは温厚なゼミの指導教授が「鳥越はぜったいに許せない!」と声を荒げていたことを覚えている。
疑惑の事実関係についてはコメントしないが、昔を思い出しながら、感慨深く記事を読んだ。「被害者」の元女子大生が当時の恋人といま夫婦になっていることを記事ではじめて知り、それだけはほっとさせられた。
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さて、何度か書いてきた南スーダンの情勢は、やはり尋常なものでないことが、この間の新聞記事からはっきりしてきた。
まず、きょうの東京新聞の《南スーダンでの安全確保困難 大使ら陸自宿営地に避難》という記事。なんと、日本大使館が危なくて、大使が陸自宿営地に宿泊しているというのだ。
《【アディスアベバ=共同】戦闘が再燃した南スーダンで、現地駐在の紀谷(きや)昌彦・日本大使と大使館員一人が安全確保のため、夜間は首都ジュバで国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊の宿営地に避難して宿泊していることが二十日、関係者への取材で分かった。
 中谷元・防衛相は南スーダン情勢について「武力紛争に該当する事態ではない」と強調し、PKO参加五原則は維持されているとの立場。しかし、大使館でさえ安全確保が困難な状況が浮き彫りになり、陸自派遣継続の是非が改めて問われそうだ。大使公邸や館員の宿舎は大使館の敷地内にある。
 陸自部隊はPKOの南スーダン派遣団(UNMISS)に参加。現在は第七師団(北海道千歳市)を主力とする十次隊が展開している。戦闘が再燃してからは国連施設の外に出られず、十九日時点で活動を再開できていない。(略)
 ジュバでは八日にキール大統領派と元反政府勢力との間で大規模な戦闘が発生し、二百七十人以上が死亡した。双方は十一日の停戦命令に従い、戦闘は止まったが、兵士による略奪行為が報告されるなど治安は安定していない。》
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201607/CK2016072102000136.html

共同によれば、陸自の宿泊地に流れ弾が着弾していたという
《岡部俊哉陸上幕僚長は21日の記者会見で、南スーダンの治安が悪化した今月上旬以降、国連平和維持活動に参加している陸上自衛隊の宿営地内で、流れ弾の一部とみられる弾頭が複数見つかったと明らかにした。》(共同)

次は、北海道新聞の先週の記事。
陸自宿営地の周辺でも死者 南スーダン》 07/15 07:00
南スーダンPKOのロイ代表は13日、陸自宿営地があるPKO施設について「10日と11日は(近くで)激しい戦闘が続きとても深刻だった」と述べた。PKO本部によると、戦闘が続く間、陸自隊員は防弾チョッキを着用して宿営地内の防弾壕(ごう)に入って安全を確保した。》
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/international/international/1-0293366.html

ここまでの事態なのに「武力紛争に該当する事態ではない」と言い張る日本政府。本来なら、自衛隊はいったん撤退するしかないはずだ。