再び公開された安田純平氏の画像

安田純平氏の画像がまた公開された。

今回は写真で、日本テレビはこの画像を自称「仲介人」から入手したという。
《去年から行方が分からなくなっているフリージャーナリストの安田純平さんがシリアで武装勢力に拘束されている様子を写したとされる新たな画像をNNNが29日、入手した。
 NNNが入手した画像には、安田さんとみられる男性がオレンジ色の洋服を着て、「助けてください。これが最後のチャンスです」と書かれた紙を持っている様子が写っている。
 (略)
 今年3月には安田さんを写したとされる映像が公開されていた。
 NNNに画像を提供したのは、国際テロ組織アルカイダ系の武装組織「ヌスラ戦線」から安田さんの解放交渉を請け負っていると主張する男性。》
http://www.news24.jp/articles/2016/05/30/10331377.html

共同にもその画像が自称「仲介者」から送りつけられたという。
《画像は仲介者経由で共同通信など複数の報道機関に送りつけられた。ネット上でも公開された。長髪でひげを伸ばした男性がオレンジ色の服を着て、手書きした紙を持っている。28日にヌスラ戦線が撮影したという。
 トルコを拠点とするシリア人支援組織の一員とされる仲介者によると、ヌスラ戦線側は「1カ月とか2カ月という短期間のうち」に日本側が解放交渉に応じなければ、安田さんを過激派組織「イスラム国」(IS)に渡すと脅迫しているという。身代金獲得が目的とみられ、交渉を急がせるために画像を公表した可能性が高い。》(カイロ共同)

 画像は、別の人物がフェイスブックにあげている。
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=122650181487415&id=100012273009803
 3月の動画の出方と同じパターンである。

 写真の安田氏は、髭や髪が伸び放題で、食糧を含めた待遇はよくないと想像する。まず、この点が心配だ。
 安田氏が、自分から「助けて」と訴えることをよしとしない人物であることは友人の間では知られている。3月の動画でもその種のメッセージは一切なかった。
 今回は、この文章を書くよう強要されたと思われ、眉根に皺を寄せた、すさまじい怒りの表情でカメラをにらみつけているのは、精一杯の抵抗と解釈する。

 私が最も憂慮するのは、こうした脅迫を自称「仲介人」が繰り返すことで、メディアの競争もあり、彼のグループに注目が集まり、結果的にその立場が強化されることだ。
 自称「仲介人」は金のことしか考えておらず、身代金を払わずに解決するという家族や友人たちの努力とは相反する。このルートだけがクローズアップされることが解決につながるとは思えない。
 事態はまずい方向に行っている。