国境なき記者団、安田純平さんに関する声明を撤回

takase222015-12-29

深夜、編集スタジオから駅に歩くと、ライトアップされた東京タワーが見えた。
季節、時期で色もデザインも変るらしい。
終電で帰宅途中、スマホでニュースを見たら、「国境なき記者団」が安田さんに関する声明を撤回したという。

《フリージャーナリストの安田純平さん(41)がシリアで武装勢力に拉致され、身代金を要求されているとの声明を出した国際NGO「国境なき記者団」(本部・パリ)は、「確認が不十分だった」としてこの声明を撤回した。28日付の新たな声明をホームページ上に公表し、明らかにした。(略)
 22日の声明では、武装勢力は、身代金が実行されない場合、安田さんを殺害するか、他のテロ組織に身柄を売り渡すと脅していると述べ、日本政府に救出のために全力を尽くすよう求めていた。》(朝日新聞

以下、記者団のHPの英文私訳。

国境なき記者団安田純平氏に関するプレスリリースを撤回
            2015年12月28日(月)発表

国境なき記者団は、12月22日、7月以来シリアで拘束されている日本人ジャーナリスト、安田純平氏に関するプレスリリースを出した。このリリースは、通常の手続きで起草されたものではなく、十分に確認されたものではなかった。従って、これは、もっと十分な情報が得られるまで撤回された。我々は、安田氏の家族と友人、またシリアで拘束されている人々の家族が我々の謝罪を受け容れてくれるよう願うものである。》

やっぱり誤報だった。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20151224
記者団のいう「身代金カウントダウン」は全く根拠がないとの常岡さんたちの主張を、記者団が認めた形だ。
ひとつ、決着したが、騒動によって誤報が大々的にふりまかれたことは元に戻せない。

今回の騒動は、「5千万円でこの問題を解決できる」と外務省に持ちかけ、無視された人物が巻き返しを図って起こしたものと推測できる。
騒動によって誤報は大々的にふりまかれた。

人命にかかわることであり、私利のために騒動をしかけた人物と乗せられて誤った情報を流した「記者団」の責任は重い。
拘束者にも知られることになったであろうことがどれほど今後に影響するのか。
いま安田さんの友人たちが鋭意情報を集めている。
(つづく)