森本喜久男さんのメメントモリ

takase222014-01-09

おとといの「ガイアの夜明け」は視聴率7.7%で、ここ2ヶ月で2番目に高かった。
どの番組も、放送翌日にテレビ局から視聴率表が送られてくる。これはいわば成績表で、我々は1分刻みの折れ線グラフをにらみながら、なぜここで上がったのか、あるいは下がったのかと考える。
もっとも、裏番組がつまらなくてこっちの視聴率が上がる場合もあるから、視聴率データには、すべての裏番組の資料も入っている。
今回は、番組開始から折れ線がじわじわ右肩上がりになり後半が高原状態という理想的なパターン。ピークは開始35分過ぎで、いよいよ和食コンテストが始まろうとする場面だった。
一つ放送が終わったオフィスでは、あさって放送予定の番組の編集が最終盤だ。
1月11日(土)NHKBS1「ドキュメンタリーWAVE」(よる10時〜)
「中国頼みと言うけれど〜揺れ動く韓国・チェジュ島〜」
以下は、番組HPhttp://www.nhk.or.jp/documentary/の紹介文。
チャ イナパワーが押し寄せる韓国・済州島(チェジュ島)で、住民たちが怒りの声を上げ始めている。中国企業を誘致したものの、進出があまりにも急激で巨大なた め、不動産価格の急騰によって飲食店経営者たちが退去を求められ、開発工事により先祖伝来の墓地が移転を迫られるなどの摩擦が生じているのだ。非難の矛先 は開放政策を進めてきた行政に向けられているが、解決策を見いだせないままでいる。チャイナパワーは島の発展に欠かせないからだ。揺れ動く島の今を見つめ る。
再放送は1月13日(月)16:00〜16:49。
関心のある方はご覧ください。
・ ・・・・・・・・・
きょう、来日中の森本喜久男さんと会う機会があった。
森本さんについては、このブログで何度か紹介したが、カンボジアのシェムレアップで草木染工房をやっている、私の古い友人だ。バンコクで知り合って、もう30年になる。
(彼の「クメール伝統織物研究所」についてはhttp://www.iktt.org/

無印良品』の草木染タオルのアドバイザーとして、一昨年の「ガイアの夜明け」に登場した。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20120914
今回の帰国理由の一つはテレビ出演。きょう収録の「エルムンド」(NHK)は12日(日)放送だという。20日(月)には「世界ナゼそこに?日本人」(テレビ東京に登場する。
前回の「世界ナゼそこに?日本人」を観ていたら、「次回予告」に森本さんが出てきた。
「私財を投げ打って、カンボジアの人々に・・・」というナレーションのあと、森本さんが画面に現れて「膀胱がんで余命5年と言われた」と一言いう。
えっ余命5年?どういうことなんだ?

とても驚いたので、きょう会ってすぐにがんのことを尋ねた。本当だという。
 でもそれはもう3年前のことで、こないだ病院にいったら「あと2年」と言われたそうだ。
で、治療は?
「がんだと分かったときから、治療をするつもりは全くなかった」
がんは病気ではなく老化にすぎないという。
「人間にも『賞味期限』があるんだよ」

20年住んだカンボジアで一番学んだことは、人の生き死についてだという。
カンボジアでたくさんの人の死を見てきたが、みな、『自分の番が来た』と納得して死んでいく。日本人みたいな悲愴感はない。死ぬことはごく自然なことなんだ」
死が近いと言われて、どう感じるのか?

「毎日がすごく楽しい。きょう一日やるべきことをやって終わる。すごく充実感がある」
「大事なのは『メメントモリ』だね」
メメントモリとは「自分が死ぬということを忘れるな」、「いつも死を思え」という意味だ。
こういう会話のなかで、森本さん「はっはっは」と実に愉快そうに何度も笑った。
「よく生きることはよく死ぬことだ」というが、これをまさに実践しているようだ。