植木鉢のナス。
みるみるうちに大きくなる。命ってすごいなと思う。でもきっとこれが今年最後のナスの実だろう。生で塩をかけて食おうか。
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米国が二転三転している。
アサド政権が化学兵器を差し出せばかんべんしてやる、と米国のシリア攻撃の姿勢は一挙に後退した。
《大統領はホワイトハウスにおける演説で、シリア・アサド政権の化学兵器を国際管理下に置くとするロシアの提案は米国による限定的な武力行使を押しとどめる可能性がある、と指摘。米国とロシアの当局者が提案について協議を続け、自身もロシアのプーチン大統領と話し合うことを明らかにした。
オバマ大統領は、外交手段を追求する間、対シリア行動に関する採決を延期するよう議会に要請したと表明。アサド大統領は約束を守る必要があると述べた。
オバマ大統領は「この(ロシアの)提案が実を結ぶかどうかを語るのは時期尚早だ」と指摘。一方で、「この提案により、武力行使なしに化学兵器の脅威を取り除くことができる可能性がある。なぜならロシアは特にアサド大統領にとって最も強力な同盟国の1つだからだ」と述べた。》(ロイター、ワシントン10日)
米国のミサイル攻撃がなければそれだけで「前進」と見る立場もあろうが、茶番にすぎないと見切っている人もいる。例えば、北朝鮮が「核兵器を差し出します」と万が一言ったとしても、どうせごく一部をアリバイ的に出すだけだろうと、誰も信用しない。それと同じ。
そもそも、シリアでは化学兵器など使わなくとも、すでに10万人を超す人々が犠牲になったのであって、シリア問題の核心が化学兵器にあるのではない。それがすっかり、化学兵器さえ使用されなければよいという話になっている。
8月30日の日記で、ヒューマンライツウォッチがシリアに対する軍事介入が正当化されるかどうかの基準を、《化学兵器であれ従来の兵器であれ、それらを用いたさらなる違法攻撃から、全ての民間人を保護できるかどうかによって判断されることになる》と明らかにしたことを紹介したが、私もこの基準には賛成する。今回の転換ははたして民間人を守ることになるのか。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20130830
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今週の朝日歌壇。
常連の松田わこの入選作。
信号が青になるのを待っている私とママとセミと名古屋城
真夏の時が止まったような風景のなかに、私も動かないお城も一緒におさまっている。
次ぎは原発事故で故郷から避難している人の歌。
内に鼠外猪のはびこれる自宅(うち)に帰還を許されてもといふ
(福島市)青木崇郎
私の知っている避難者は、はじめの数回は立入禁止地区の自宅に戻って貴重品やアルバムなどを回収したりしたが、最近はもう行かないという。家の中が鼠だらけで、廃屋と化していくのを見るのがつらいというのだ。
その時が来たら俺の身体に入れよと亡妻に言い五年の過ぎる
(東京都)おがわまなぶ
実に仲の良い夫婦だ。死ぬとき合体したいと思うほどに。
その一方。
結婚はせぬという子に父さんもうまくいかなかったよねと言わるる
(三原市)岡田独甫
失敗した結婚だったねと子どもにいわれて苦笑している父。いろいろあります。
最後に俳壇の佳作から。
この国の行方の知れぬ暑さかな
(名古屋市)池内真澄
今の漂いかたには、たしかに「行方」の知れない不気味さを感じる。