カダフィの末路と北朝鮮

風前の灯のリビア体制だが、大量の犠牲者が出るかもしれない。
《反体制派による首都包囲網が狭まりつつあるリビアで24日、最高指導者カダフィ大佐を支持する政権側の部隊が反撃に転じ、多数の死傷者が出ている模様だ。政権側が大規模な軍部隊を配置したとの情報もあり、巻き返しを図っているものとみられる。
 カダフィ氏は同日、国営放送を通じて電話演説し、「国民はまっとうな生活を送ってきた。不満を持つ理由は何一つない」とし、反体制デモは「(国際テロ組織)アルカイダビンラディンによる国際テロ行為」と非難。「私は公的な権力を持たない単なる道徳的権威にすぎない」と強調した。直接国民に訴えること自体が異例のカダフィ氏が22日に続いて演説をしたのは、勢いを増す反体制デモへの危機感の表れとみられる》(朝日新聞
かつて「狂犬」とあだ名をつけられたカダフィの思考は、常人にはついていくのが難しい。
今も彼については多くの謎があるが、この政変はそれらを解き明かすきっかけにもなりそうだ。
リビアの仕業だという確証がなかったテロ事件に新たな証言が出た。
反政府運動が激化するリビア情勢に絡み、最近辞任したとされるアブドルジャリル前司法書記(法相)は23日、英国スコットランドのロッカビー上空で1988年12月21日に発生した米パンアメリカン航空機爆破事件は、リビアの最高指導者のカダフィ大佐の指図によるテロだったことを明らかにした。
北欧スウェーデンタブロイド紙エクスプレッセン紙が報じた。同紙の記者がリビアの主要都市にある議会内で前司法書記と約40分間インタビューし、アブドルジャリル氏はこの中で「カダフィ(大佐)が同機爆破を命令したことを裏付ける証拠を握っている」とも語ったと伝えた。この証拠の詳細は不明。
空中で爆破したパンナム機事件では、乗客乗員259人全員と地上で巻き込まれた11人が死亡している。捜査で機内に仕掛けられた爆弾が爆発したと断定された。
リビア人のアルメグラヒ元受刑者が逮捕され、終身刑の判決でスコットランドの刑務所に収監されたが、2008年に末期症状のがん罹患が判明し、翌年に人道的な理由で釈放された。現在はリビアに住んでいる。
前司法書記はエクスプレッセン紙に対し、カダフィ大佐が爆破事件への自らの関与を隠ぺいするためアルメグラヒ元受刑者の釈放実現であらゆる措置を講じたとも明らかにした。前司法書記は辞任後、反体制派に回ったともされる》(CNN)
カダフィの資産が凍結されるというニュースも。
《スイス政府は24日、リビアの反体制派市民に対する武力行使を強く非難し、最高指導者カダフィ大佐と側近がスイス国内に保有している可能性のある資産を即時凍結した。国有資産の着服防止が目的。具体的な資産規模は不明としている。
 AFP通信は、スイス国立銀行中央銀行)の話として、スイスの銀行にあるリビア絡みの資産は6億1300万スイスフラン(約540億円)、さらに信託財産などが2億500万スイスフラン(約180億円)あると伝えた》(時事)
体制の深部に隠された秘密が暴露され、人民から収奪した財産が保護される・・・
北朝鮮の体制が崩壊することを思いながら、これらのニュースを読んでいる。