NLDはスーチーショップになっていた

takase222013-03-18

ヤンゴンのNLD(国民民主連盟)の本部に行ったら、入り口にはスーチーさんの写真がプリントされたTシャツやコーヒーカップやストラップなどが並べられ、スーチー・グッズショップと化していた。(写真)
ベストセラーは、去年ヤンゴンを訪問したオバマとスーチーの2ショットの写真をプリントしたTシャツだという。「地球の歩き方」を見たら、「ショッピング」のコーナーにNLD本部が紹介されていてびっくりした。そういう時代なのか。
日刊紙は今も国営しか許されないが、週刊誌は私営でたくさん発行されており、争うように政府に批判的な記事を書いている。そっちの方が売れ行きがいいという、単純な市場原理でそうなっていると現地の人が言っていた。それだけ政権は嫌われているということだ。
10日間、ほとんど日本のニュースに接しなかった。
毎晩ホテルのテレビで見ていたのはアルジャジーラ。シリアの戦争、ベネズエラの政情、カトリックの新教皇などを連日やっていた。出てくる記者はほとんどが白人。優秀な記者を引き抜いて、いまやCNNやBBCとならぶ権威あるテレビ局になっている。
カタールは金に物を言わせて、最先端の科学者、最高レベルのスポーツ選手、高価な芸術品を世界中から買いあさって、本気で一流国になろうとしている。
iPS細胞研究の山中伸弥教授にまでスカウトの手が伸びているといううわさがあるが、山中氏は愛国者だから大丈夫だろう。
日本のニュースを知らなくても気にならなかったのだが、帰国したら、安倍総理ATPに参加するなどと言っているし、中国人実習生が雇い主を殺害しているし、WBCでアメリカが敗退しているしで、新聞やテレビにかじりついてしまう。
きょうの新聞で面白かったのは「「中国に米紙が賄賂」告発」という記事。
《米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は17日、情報提供の見返りに中国政府関係者に賄賂を贈った疑いで自社の社員が米司法省の捜査対象になったことを明らかにした。ただ、社内調査では事実が確認されず、中国側がWSJによる取材を牽制(けんせい)することを狙って告発した可能性もある、としている。
 WSJによると、昨年初めに司法省から「告発者によると、WSJの社員が情報の見返りとして中国政府関係者に高額な接待などを繰り返している」と照会があった。しかし、外部の弁護士らにも依頼して調査した結果、違法行為は確認できなかったという。告発者の素性は明らかになっておらず、司法省がまだ捜査を継続しているかも不明だ。
 告発は重慶での取材活動をめぐってされていた。重慶は、職権乱用などの疑いがもたれ、昨年失脚した薄熙来(ポーシーライ)・元重慶市共産党委員会書記の拠点。WSJは薄氏の妻がかかわった英国人殺害や、事件が中国内の政治闘争に発展している状況について取材し、記事を出していた。同じ頃、WSJのコンピューターシステムが中国関連のハッカーから攻撃を受けていたとされ、贈賄の告発もWSJに対する攻撃だった可能性があるという。
 司法省は現在、WSJの親会社のニューズ社傘下の英紙での盗聴や贈賄を発端とする捜査も続けている。今回の告発も、この捜査の過程で照会を受けたという。》(朝日新聞夕刊)
 中国政権のおそるべき腐敗がジャーナリズムによって暴かれ、結果、権力争いにまで影響が出た。WSJへの捜査はその復讐劇かもしれないという。どう決着するのだろうか。
その隣の記事は、オーロラで有名なカナダのイエローナイフ(人口2万人)に毎年1万人が押し寄せるがその9割が日本人だという話。その原因は、日本では、オーロラを取り上げる旅番組がたくさん流されることらしい。
メディアの影響力はすごいものである。小林旭も「オーロラの空の下」と歌っていたな。
さて、きょうの朝日歌壇。
松田姉妹はともに入選。
話すのはここまでと決めていたラインとっくに超えた手巻き寿しの夜
               松田梨子
こんなにも緊張するんだ私って一番前の真ん中の席
               松田わこ

印象に残った一首は、
ありがとう二姫育てし我が乳房手術(オペ)の前夜にやさしくあらう
               (高槻市山本恵美