「拉致と人権」国際シンポジウム

takase222007-12-13

きょう、北朝鮮人権侵害問題啓発週間の政府主催の「国際シンポジウム」にパネリストとして参加してきた。これ、知り合いにちょっと出てくれと誘われてOKしたら、かなり大掛かりなシンポで、安請け合いしたことを後悔した。
参加者顔ぶれは、中山恭子首相補佐官、齋賀富美子人権担当大使、マイケル・グリーン元米国NSC上級アジア部長、ケネス・キノネス元米国国務省北朝鮮担当官、キム・ソンミン自由北韓放送代表、金玄浩(キム・ヒョンホ)朝鮮日報統韓問題研究所所長、重村智計早稲田大学教授、司会は高島肇久外務省外務報道官。なんで私がここにいるの?という感じだが、引き受けた以上やるしかない。テーマは「拉致と人権」。23日にNHK−BS「BSフォーラム」(午後5時〜5時54分)
で放送されるという。
朝、準備しようと思って早めにオフィスに行く。するといきなりトラブルが二つ続けてやってきた。ロシアに2本、国内に数本電話、ファックスとメールを打ってトラブル処理しているうち時間がなくなり、バタバタと会場へ急ぐ。私以外はみな、ちゃんと原稿を作って通訳に渡している。国際シンポなのでイヤホンからは日英韓の3カ国語の同時通訳が流れ、その他にタイとルーアニアから拉致被害者家族が来ているので、それらの通訳さんもいる。あわてて通訳にだいたいこんなことを話しますと告げてシンポ会場のホールへ。
私は朝鮮半島専門家でないので広く展開しようと、ミャンマーの話をした。長井健司さんの殺害に触れ、北朝鮮にもミャンマーにもともに厳しく迫るべきであること、日本がアジアの人権の旗手たるべきなのに、脱北者ミャンマー難民の保護が不十分だと政府に注文をつけた。後半には、北朝鮮はマルコス、スハルト型の「独裁」ではなく、ポルポトヒトラー型の「全体主義」なので、体制を変更しないかぎり拉致問題の根本的な解決は難しいこと、交渉には過大な期待を持つべきでないと述べた。
その上で、具体的な提言として、拉致問題を「国際刑事裁判所」に提訴せよと主張した。
この「国際刑事裁判所」というのは、「人道に対する罪」などを裁くため、02年に開設したもので、きょうのパネリストの一人、齋賀大使が日本から初の判事に選ばれたばかりである。日本は105番目の締約国で、かなり遅かったが、裁判所への拠出額は一番だという。
この裁判所、調べるとかなりすごいのである。金正日を有罪にできる可能性があるのだ。
詳しくは次回。