スーチーさん歓迎会をカチン民族がボイコット

takase222013-04-14

北朝鮮当局が「無慈悲な核砲火で挑発者の牙城を跡形もなく焦土化するであろう」と突っ走るなか、「防犯ブザー」事件があった。
3月27日、東京都町田市教育委員会が、弾道ミサイルの発射恫喝で「北朝鮮との関係が緊張している」ことを理由に、西東京朝鮮第二幼初級学校に対して、これまで希望があった場合に配っていた防犯ブザーを配らないことを決めた。ところが、これに多くの抗議がきたことから、8日、一転して学校側にブザーを送付したというもの。
ミサイルの話を子ども一人ひとりの安全の問題に関係させること自体、あってはならないことで、配るのは当然だ。
この町田市の「配らない」とした間違った措置は、朝鮮学校への無償化や補助金支給と同列に見られやすく、問題の本質を見失わせるおそれがある。
本来、この問題は、拉致やミサイルなどと関連させるべきものではない。
北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」は朝鮮学校への補助金に反対しているが、町田市の措置に真っ向から反対する「町田市のこのような決定が誤解を招く」という記事をHPに掲載している。
http://hrnk.trycomp.net/news.php?eid=00980
「守る会」は主に教科書の内容など教育の中身を重視して無償化や補助金に反対している。そして、「朝鮮学校の生徒には日本永住権がある。間違ったとんでもないことを教える学校には補助金を出さないというのならわかるが、拉致を理由に朝鮮学校補助金を出さないのは筋違いだと思う」という横田滋さんの発言に賛意を示している。
なお、2月、政府は無償化の対象から朝鮮学校をはずした。
下村博文文部科学相は19日の記者会見で、朝鮮学校を高校無償化の対象外とするため、20日付で省令を改正することを明らかにした。省令改正と同時に無償化適用を申請していた各校に不指定を通知する。下村氏は「朝鮮学校在日本朝鮮人総連合会朝鮮総連)の影響下にある」と述べた》
朝鮮学校は実態として総連の学校だということは私も何人もの元総連活動家から聞いている。これは無償化からはずす正当な理由だと思うからこの決定は支持できる。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20130221
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きのう、アウンサンスーチー氏が来日した。
私は午後4時から東京・渋谷で開かれた在日ミャンマー人の歓迎会を取材しにいった。定員1800人の会場がほぼ埋まった。会場は、彼女の政党であるNLD(国民民主戦線)の闘う孔雀の赤い旗でいっぱいだった。(写真)
民族衣装を着た少数民族の姿も見られたが、一方で、在日カチン民族の団体はこの集会を正式にボイコットした。
スーチー氏が最近、政府軍の幹部と一緒に登場する機会が増え、政府軍の式典で「軍が好きだ」などと発言したことで、2年前から国軍の激しい攻撃にさらされているカチン民族としては到底歓迎などできないということになった。
スーチー氏への抗議デモをかけるプランもあったが、ビルマ族や他の少数民族から「それだけはやめてほしい」と懇願され、ボイコットにとどめたという経緯がある。
民族問題が解決できないと、ミャンマー民主化への展望も暗いものとなる。
スーチー氏にとってもこれからが正念場である。