4月8日の「平和憲法を守るための緊急アクション0408」を国会前で取材したのだが、ちょっとした衝撃だった。いつものいわゆる平和デモとは全く雰囲気が違う。
平和関係の集会・デモは参加者のほとんどが高齢者というのが常なのだが、8日は若い人たちが圧倒していた。それも政治とはこれまで無縁だったと思われる若者たちだ。キャラクターグッズを手に「戦争反対!平和を守れ!」と唱和するさまは、これまで見たことのない風景。
私は国会前集会の開始予定時刻、夜7時半ぴったりに行ったのだが、もう人でいっぱいで会場に入れない。警察の規制が厳しすぎることもあって、最後までステージが全く見えない周辺部にいた。




そこここで自然発生的に唱和が起きる。すぐ近くにいた若い女性が、「戦争反対」と声を上げた。そんなに大きくない声でおずおずと。すると周りの若者たちがすぐに唱和した。明らかに「活動家」でもなければ、動員されて仕方なく参加した人たちでもない。ほんとうに自発的に来ているのだなと実感した。
遅まきながら、選挙だけでなく、こうした運動にもSNSが大きな力を発揮することを知った。
以下の「東京新聞」の記事が国会前の雰囲気を伝えている。
「若い世代や女性を中心に、3万人(主催者発表)の人たちが交流サイト(SNS)を通じて集まり、色とりどりのペンライトや、ライトアップされたプラカードを手に、改憲阻止や戦争反対を訴えた。20〜40代の市民有志でつくる「WE WANT OUR FUTURE」と「憲法9条壊すな! 実行委員会」の共催で4回目。
参加者たちは、軽快な音楽に合わせて踊りながら「高市総理は憲法守れ」「武力で平和はつくれない」などとコールを繰り返した。憲法の前文や9条などの条文も朗読した。
プロ野球の福岡ソフトバンクホークスのペンライトを持っていた東京都の40代の女性は「家でゆっくりと野球が見られる平和な世界にしてほしい」と語った。
今回のデモと連携して同じ日の同時刻に全国137カ所で、平和憲法を守る同様の街頭行動が行われた。」(東京新聞12日)
大阪梅田の様子は「朝日新聞」に記事があった。
「夜、梅田駅前のヨドバシカメラ前の歩道にペンライトを手にした人が集まっていた。
大阪府内の会社員女性(38)は国会前デモに参加した東京の友人と「場所は離れているけど連帯しよう」とやりとりをし、参加を決めた。「デモって怖い人が多いのかなって思っちゃってドキドキしたけど、優しそうな人が多かった」
反戦スタンディングデモを呼びかけた一人は、府内に住むmoxさん(22)だ。
高校生のとき、K-POPのアイドルを好きになった。「推し」は多国籍なグループで、国際情勢が落ち着いていないと活動自体がどうなるか分からない。日中韓の関係が良くないと、日本でのライブすら来られないかもしれない。日本で平和に暮らせなくなる。戦争放棄が定められた憲法改正が近づいているように感じた。
「何か行動を起こさなきゃ」。そう思い、初めてデモ行進に参加したが、雰囲気に怖さを感じた。集会やデモ行進はハードルが高いと感じる同世代は少なくない。SNSを見ても同じ気持ちの人が多かった。
2月下旬、東京でペンライトを振って改憲反対を訴えるデモのニュースを見た。アメリカとイスラエルによるイラン攻撃も始まり、「1時間後に世界がどうなるか分からない」という不安もあった。戦争反対を安心して訴えられる場を大阪にもつくろうと決意した。
X(旧ツイッター)でスタンディング開催を告知すると、大きな反響があった。追加投稿で「戦争が起きたら大事に出来なくなる、大切なモノを持ってきてほしい」と書いた。初めての開催だった3月19日には、約350人がペンライトやぬいぐるみなどを手に梅田駅前に集まった。(以下略)」(朝日新聞12日)
この「緊急アクション」、会を重ねるごとにどんどん参加者が増えているという。
前回の総選挙では高市旋風が吹いたといわれたが、この若者のアクションにも風が吹きそうな気配。「風」がどのようにして作られるのか、考えるためのとてもいい体験だった。