ベトナム戦争終結を、「共産主義勢力の勝利」とみる向きもある。望ましくないことが起きたのだと。
これに対して、「あれは、ベトナム全国民の総力による勝利です」と在日ベトナム人がXで書いていた。周囲にそう言う日本人がいるのだろう。

「武力侵略してはいけない」という原則は、侵略対象国が「良い国」か「悪い国」か、どんな政治体制を採用しているかなどには関係ない。汚職まみれで腐敗した国、専制的な統治を行なう国であっても、その国を侵略することは許されないし、その国の国民が許さないのである。
アフガニスタンは、ソ連、アメリカという二大軍事強国から侵略されたが、多大な犠牲を払ってそれぞれ10年、20年の長きにわたって戦い、どちらも追い出した。いまウクライナで起きていることがまさにこの侵略に対する全国民の総抵抗である。
昨日書いたように私はアカデミズムでの居場所を失い、ベトナム取材で知られた「日本電波ニュース社」に入社するのだが、私の後輩の谷津賢二さんがこの会社についてFBでこう書いている。
《私が働く日本電波ニュース社はベトナム戦争中、西側の映像メディアとしては、唯一北ベトナムのハノイに支局設置を許可された会社でした。
歴代のハノイ特派員が北爆の最中に撮影、取材した映像は米国のCBS、NBC、ABCの三大ネットワークやBBCをはじめ欧州の各テレビ局へ配信され、北爆の実態を伝え、ベトナム反戦運動の後押しをしたと言われています。社員数25名に満たない小さな会社が歴史的な記録を遺せたこと、社の先輩たちには心からの敬意を払いたいと思っています。日本電波ニュース社の創立者、柳澤恭雄(戦前、戦中の日本放送協会報道部副部長、戦後NHK退職まではNHK論説主幹)はよくこんなことを言っていました。「権力のお先棒は担ぐな」「誰のための報道か考えよ」「小さな会社でも志があれば大きな仕事ができる」
大切な遺訓だと思っています。
下記リンクの弊社YouTubeチャンネルに戦時下の北ベトナム映像を沢山アップロードしてあります。観ていただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。
https://www.youtube.com/@NDNJapanTV 》
https://www.facebook.com/kenji.yatsu.73

(右端が日本電波ニュース社創立者の柳澤恭雄、左がホーチミン主席)
。ホーチミン首席が右手を上げる写真は、弊社、

NHK国際報道(28日)のベトナム戦争とジャーナリズムの特集で、「日本電波ニュース社」の北爆時の取材が取り上げられていた。
当時のハノイ特派員、宇崎真さんはかつて私の上司でもある。北爆下の取材をなまなましく語っていた。防空壕に避難しながらの決死の撮影は、アメリカの反戦世論を盛り上げた。
ジョンソン大統領が「我々は軍事目標しか攻撃しない」と言明する一方、ハノイから送られてくる映像には、病院が爆撃されて焼け出される患者たち、堤防が破壊されて嘆く農民の姿が次つぎに現れる。アメリカの市民は、政権が嘘をつき、ベトナムの民衆を苦しめる非人道的な攻撃をしていると政府に反発を強めた。「日本電波ニュース社」の報道は、歴史を変える一因となった。





宇崎さんは「現場に行けば、新たに今までに言われていないような事実っていうのは必ず出てくる」「僕は今でもジャーナリズムの可能性っていうのを信じたい」と言う。
やはりジャーナリストは現場で見て聞いて考えることを大事にしなければとあらためて思った。