「トランプ・ファースト」はどこに向かうのか

 いま24節気の最後大寒だ。今年は1月20日から2月2日になるという。

 初侯「款冬華(ふきのはなさく)」は1月20日頃から。款冬はふきのことで、ふきの花茎がふきのとう。ふき味噌は大好きで楽しみだ。

 次侯「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」が1月25日頃から。腹は厚いという意味もあり、流れる沢水さえ厚く凍るほど冷え込む。春を前に最も寒い時期となる。↓

 1月30日頃からが末侯「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」。冬には産卵しない鶏が鳥屋(とや)に入って卵を産み始める頃。鶏が新しい命を産んで七十二侯が締めくくられる。

 大寒の最終日が節分で、翌日からいよいよ立春。暦の上では春になる。

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 トランプ大統領の一挙手一投足が嫌でも目につき、あまりの言動に、今でもこの人物がアメリカ大統領なのか信じられないほどだ。頭がクラクラするとはこのことだ。

 公の場で、ここまで「俺さまの好きなように、俺さまの得になるように」つまり俺さまファーストを押し通す政治家がいていいのか。

 いつか、こんな時代もあったなと振り返るための備忘録として、ニュースを貼り付けておこう。

トランプは大統領就任直後に、米連邦議事堂乱入事件で起訴された約1500人に恩赦を与えた。なかには重い刑罰を科せられた首謀者も。あの選挙が「盗まれた」ことになり、民主主義の根幹を揺るがす。(NHK国際報道)

トランプは「アメリカを再び偉大にする』という我々のビジョンにそぐわない前政権で任命された1000人以上を特定し排除する」と宣言。すでに解任された官僚、公務員が出ているという(国際報道)

入植者のパレスチナ人に対する暴力が蔓延する事態に、バイデン政権が出したヨルダン川西岸でパレスチナ人への暴力に関わったユダヤ人入植者に制裁を課す」と大統領令を撤廃した。これは入植者に暴力をふるってもいいのだとのメッセージを与えたと非難されている(国際報道)

ガザ停戦の裏でヨルダン川西岸で入植者のテロが急増している。(国際報道)

国連大使になるトランプの熱烈な支持者のステファニク下院議員は、上院公聴会イスラエルヨルダン川西岸の全域に『聖書に基づく権利』があると主張するイスラエルの政治家とあなたは同じ考えなのか?」と問われ「イエスと答えた。(国際報道)

 先週、軍事アナリスト小泉悠さんが、近所で講演会をやって聴きに行った。私は彼の軍事問題の分析だけでなく、歴史を含めた全体状況の中に軍事を位置づけける手法に共感をもっていて、今回上梓した拙著『ウクライナはなぜ戦い続けるのか』(旬報社も小泉さんに示唆された点を盛り込んでいる。

18日(土)東京・国分寺市もとまち公民館にて小泉悠氏講演「人間はなぜ戦争をするのか」

takase.hatenablog.jp

 「報道1930」で小泉さん、トランプ政権は90年代のロシアを彷彿とさせると語る。

 「90年代のロシアを想起する、つまり大統領の周りに選挙で選ばれてないオリガルヒと呼ばれる巨大な資本家が集まって大統領の権力を使って自分達の私利私欲を追求してやろう、自分達の考えを国家ビジョンで実現してやろうと考える、今の言葉でディープステートと呼ぶのかもしれませんが、結局ディープステートを批判してたトランプ自身が自分の周りにディープステートをいっぱい集めちゃったのは、とても皮肉な構図ですし、最終的にどこまでこの流れが加速するのか?…この先ロシア化するアメリカになってしまうのか?…」
https://x.com/siroiwannko1/status/1882393989695037638

 

 あるSNS投稿より

アドルフ・ヒトラーが権力についたとき、服役中の彼の支持者を釈放し、労働者の権利を保護する労働法をないがしろにし、社会保障を押しつぶして代わりに富裕層に減税した。」
When Adolf Hitler came to power he released his imprisoned supporters from jail, ripped up labour laws protecting workers and crushed social security programmes in return for tax cuts for the rich...
https://x.com/BladeoftheS/status/1882216036487078285

 

 トランプのアメリカはもう、プーチンのロシアやヒトラーのドイツに比すべき存在になりつつあるのか?

 アドルフ・ヒトラーは、1923年、「国家社会主義ドイツ労働者党(NSDAP、ナチ党)」のリーダーとしてクーデターを企てるが失敗して逮捕され服役。2年後に再建されたナチ党は29年の世界恐慌による社会混乱のなか支持を伸ばし、30年の選挙では18%を獲得して第二党に躍進する。(ドイツ共産党も急伸して13%で第三党になり、ナチ党との抗争が激化する)

 ヒトラーは32年の大統領選挙に出馬。第1次選挙の結果は現職のヒンデンブルク得票率49.6%、ヒトラー得票率30.2%で現職を過半数割れに追い込んだ。この選挙では「膨大な量のビラをまき、数百万枚のポスター、財界からの支援で購入した飛行機を使った遊説や当時はまだ新しいメディアだったラジオなどで国民に鮮烈なイメージを残した」wiki)。

 勢力を拡大する共産党に対抗するため財界は強力にヒトラーを応援した。またニューメディアをいち早く利用するなど、どこかの国の最近の選挙を想起させる。

 同年の国会議員選挙では、ナチ党は37.8%(1930年選挙時18.3%)を得て第一党になる。当時ドイツは世界恐慌に加えて、第一次世界大戦後に課された莫大な賠償金支払いによって国民は窮乏していた。第一次世界大戦の敗北の教訓と反省から作られたきわめて民主的なワイマール憲法のもとで、国民は既得権層の支配の打倒と抜本的な改革を訴えるヒトラーとナチ党を選んだのである。

 これまでは、「ファシズムの悪夢を繰り返すな」と言われても、これだけ民主主義が定着している現代に、まさかそんなことが・・・と思っていた。しかし、近年の、とくに昨年の選挙結果を見ると、選挙を通じて独裁が現れるということが現実的な可能性として見えてくる。近代史を学び直そう。