被団協にノーベル平和賞3

 ノーベル平和賞を選ぶノルウェーノーベル平和賞委員会は、ノルウェー国会が指名する5人の委員(議員は委員になれない)で構成され、任期は6年。選定が極端な政治色を帯びないよう、委員には「世界の紛争を客観視できる能力と意志」が必要という。今年委員長に就任したのが39歳と若いヨルゲン・バトネ・フリドネス氏だ。

ノーベル平和賞委員。右端がフリドネス委員長。ノーベル平和賞のHPより

 発表の後、記者から「ロシアの核兵器に関する行為も今年の決定に影響を与えたのでしょうか」との質問が寄せられた。フリドネス委員長は「(ロシアの)核兵器の脅しが、〝核兵器使用はタブー″という国際ルールに圧力をかけていることは明らかです」と答えている。ロシアのウクライナ侵略と核使用の脅しが、今回の日本被団協受賞の背景になっているのは明らかだ。

若者たちが被爆体験を語り継いでいることも授賞理由で触れられていた。「カクワカ」もその一つ。カクワカHPより

 日本人のノーベル平和賞受賞者には、半世紀前の1974年の佐藤栄作元首相がいる

 非核三原則の制定などが評価されたが、ノルウェーノーベル平和賞委員会は、2001年に刊行した記念誌『ノーベル賞 平和への100年』の中で、「佐藤氏はベトナム戦争で、米政策を全面的に支持し、日本は米軍の補給基地として重要な役割を果たした。のちに公開された米公文書によると、佐藤氏は日本の非核政策をナンセンスだと言っていた」と記し、受賞理由と実際の政治姿勢とのギャップを指摘した。この記念誌はノルウェーの歴史家3名による共同執筆で、同年8月の出版記念会見の際にその1人のオイビン・ステネルセンは「佐藤氏を選んだことはノーベル賞委員会が犯した最大の誤り」と見解を述べて当時の選考を強く批判し、「佐藤氏は原則的に核武装に反対でなかった」と語ったという。

 沖縄返還交渉の過程で「有事の沖縄への核持ち込みおよび通過」を認める密約を結んだことが、のちにアメリカの外交文書から合意の存在が確認された。また、佐藤の遺品にこの合意議事録が含まれ、2009年12月に遺族が保管していたことが報道された。なお、この密約を公開したとして毎日新聞社で記者を務めていた西山太吉国家公務員法違反で有罪となった西山事件が起きている
https://www.weblio.jp/wkpja/content/%E4%BD%90%E8%97%A4%E6%A0%84%E4%BD%9C_%E4%BD%90%E8%97%A4%E6%A0%84%E4%BD%9C%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81#cite_note-97

 日本人として恥ずかしい平和賞受賞だった。

 日本被団協の受賞は喜ばしいが、ここまで来るには政治勢力の介入という困難にもさらされた。

 おめでたいニュースなので、メディアはあまり触れないが、原水爆禁止運動の分裂(原水協原水禁核禁会議)の影響も受け、「1964年に被団協も分裂し、1965年原水禁を受け、被団協代表理事会は「いかなる原水禁団体にも加盟しない」と決定し、原水協からも脱退した。2020年時点も被爆者団体が複数存在する都道府県もある」とされる。

 「なお1964年の分裂以降の広島県被団協は、同名の2団体が存在するため通常は理事長名を併記して区別されている。またテレビでは共産党系は「もう一つの被団協」とテロップで表示される。

広島県被団協(理事長・箕牧智之) - 旧社会党・総評系で2000年時点で会員約2万人。日本被団協に加盟。

広島県被団協(理事長・佐久間邦彦) - 日本共産党系で2000年時点で会員約3千人。日本被団協にオブザーバー参加。」Wikipedia

 とくに共産党原水禁運動に対する引き回しは激しく、1984年には原水協事件」が起きている。党の指示に従わない代表理事、理事6人を解任。日中出版が解任された代表理事吉田嘉清に内幕を取材した『原水協で何がおこったか、吉田嘉清が語る』を上梓すると、社長の柳瀬宣久と社員3名、吉田を反党行為を理由に除名し、吉田を擁護した哲学者の古在由重も除籍となった。

 当時、私の親しい人がこの「粛清事件」に巻き込まれ、市民運動への露骨な引き回しを目の当りにして、共産党に大きな不信感を抱いた。これについてはまた別の機会に。

 共産党といえばこんどの総選挙で注目されるのが、自民党萩生田光一・元政調会長の地盤、東京24区の動向。ジャーナリストの有田芳生さんが7日夜、東京都八王子市で記者会見し「東京24区から、萩生田議員に対する刺客として、立候補することを決意しました」と述べた

 今日13日は、八王子市で田中優子さんを招いて有田さんの総決起集会、「オール八王子市民集会」が開かれた。統一協会ズブズブの萩生田議員を落とせ!と集まった市民で立ち見が出る盛況だったそうだ。

オール八王子市民集会(13日)演壇に田中優子さん。

 有田さんは立憲民主党から出るのだが、支持母体は市民団体で、なんと共産党も有田さんを支持するという。かつて除名して「反党分子」扱いした人物を選挙で支持するとは、共産党も少し大人になったのか?

 立憲の党首に野田氏がなって、これまでの野党共闘の枠組みがガタガタに崩れるなか、この八王子方式は注目に値する。