「9日の平和記念式典を欠席するぞ」とG7のうち日本以外の6カ国とEU(欧州連合)の駐日大使が長崎市を脅してきた。
長崎市はイスラエルを招かず、パレスチナを招く方針。そこで上の7大使がそろって7月19日付けで、長崎市の鈴木史朗市長宛に直筆のサイン付きの書簡を送付してきたという。内容はイスラエルを除外したら参加が難しくなるとの脅しだった。
主要国がみな広島パターンのダブルスタンダードDSだということが露骨にわかる。
広島 ロシアX イスラエル〇 =米国など主要国のDS
これを批判してそっくり反対!とやるとくるりとひっくり返って・・
ロシア〇 イスラエルX と左翼のDSになる。喜ぶロシア。
では正解は?はい、長崎のロシアX イスラエルX
ロシアがウクライナにやってることと、イスラエルがパレスチナにやってることが一緒なのは明らかだ。長崎市長は、7大使の書簡を受け取ったあとの7月31日に正式に招待の見送りを発表した。脅しに屈しない長崎市を応援しよう。
・・・・・
パリ五輪の女子陸上で、ウクライナ選手2人がメダルに輝いた。(私は五輪をテレビで観ていないので、これはネットで知った)
「パリ五輪の陸上女子走り高跳びで4日、世界記録を保持するウクライナのヤロスラワ・マフチフ(22)が期待通り、金メダルを獲得した。同国の金メダルは今大会2個目。同国のイリーナ・ゲラシチェンコ(29)も銅メダルに輝いた」(共同)
ヤロスラワ・マフチフ(Yaroslava Mahuchikh)は注目されていた選手で、「ウクライナ侵攻が始まって以降、発信力のあるアスリートとして『別の方法で戦うことを示したい』と訴え続けてきた。この日も数十人の海外メディアに囲まれ、言った。「競技だけに集中することは不可能。私の国ではこの戦争で約500人の選手が亡くなり、彼らは(スポーツで)競争することを奪われた」
東部の工業都市ドニプロ出身。ロシアが侵攻を始めたときは自宅にいて、爆撃音で目が覚めた。3日間かけて車で国外に避難し、練習を続けてきた。」(朝日新聞6日夕刊)
海外を転々としながら、また祖国の同胞の戦禍に一喜一憂しながら練習を続けてきたという。物理的にも精神的にも厳しい日々だったろう。賞賛に値する。
彼女の故郷のドニプロに、私が取材した青年ボランティア、マックスが住んでいるので、さっそく彼におめでとうと祝意をメールした。
共同によると、「このメダルはウクライナと全てのアスリートに贈られた勲章だ」とも語ったという。
マフチフ選手らウクライナのアスリートは、戦場の兵士とは「別の方法で戦う」、つまりアスリートとしてロシアに対する抵抗戦を戦っているのである。応援しよう。
・・・・・・
左翼のダブルスタンダードは、さすがに露骨なロシアの侵略行為を正当化はできないので、一応は「ロシアの侵略は許されるものではないが」という枕詞をつける。そのうえで、
「ロシアだけを批判してはならない」
➡ウクライナにもロシアからの攻撃を誘発した落ち度があるのではないか
➡両方に問題がある=「どっちもどっち」
➡アメリカやNATOがウクライナだけを支援して戦争をあおっている
➡これは無意味な代理戦争なのではないか
➡今すぐ停戦を
➡ウクライナこそ戦いをやめるべき、
と侵略を受けている側に抵抗をやめよと説教する。
まるで、レイプされる側にも落ち度があると責めているようだ。
半年前、本ブログで《小泉悠氏「ウクライナ戦争をめぐる『が』について」》で「ロシアだけを批判してはならない」という主張の主な論点を紹介した。小泉氏は、その多くは、「戦争の背後にある「複雑さ」を見落としてはならないと指摘する点で共通するようだ」としてその「複雑さ」を次のように分類する。
類型1 ウクライナという国家に関する「複雑さ」
ウクライナは歴史的に現在のような形で存在したことがなく、それぞれに異なった文化・宗教・言語を包含しているという点がこの種の議論では強調される。また、ウクライナが汚職をはじめとする深刻なコンプライアンスの問題を抱えた国家であることもここでは指摘されることが多い。
類型2 冷戦後の歴史に関する「複雑さ」
冷戦後、NATOがロシアの反対にもかかわらず拡大されてきたというのがここで強調される点である。したがって、ロシアが抱いてきた安全保障上の懸念に言及することなくしてこの戦争を語ることはできないというのがこの類型における重要な論点となる。
類型3 2014年以降のウクライナを取り巻く状況に関する「複雑さ」
現在の事態は2014年のウクライナにおける政変(マイダン革命)の延長上にある。したがって、この戦争に関してはマイダン革命とこれに続いて2014-15年に発生した一連の軍事的事態の性質に関する評価を踏まえなければならないとするのがこの立場である。
小泉氏はこれら三つの「複雑さ」をいったん認めたうえで、検討していくと「どっちもどっち」には決してならないことを論じていく。
「どれもこれも、あれも、(被害者の)落ち度として挙げられたりするかもしれないけど、でも、どれ1つ、レイプをしてもいいっていう理由にはならないんですよね」というレイプカウンセラーの言を聞け。https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4315/
DSに陥らないうえで参考にしてください。