社会現象になったBTS(防弾少年団)

 18日から2泊3日で岡山県倉敷市に取材に行った

 倉敷といえば「美観地区」。撮影が終わって夜、見物に行った。
 古い家並みの格子や白壁が闇に浮かび、倉敷川に映る。

f:id:takase22:20210418191331j:plain

f:id:takase22:20210418191453j:plain

 この景観照明は通常のライトアップとは違って灯りがやわらかくまわるようになっていて、照明デザイナー石井幹子さんプロデュースによるものだ。かつて石井さんの「情熱大陸」を「ジン・ネット」で制作したことがあり、ご縁を感じながら夜の散歩を楽しんだ。

 きょうは外での撮影で、あたたかくいい天気にめぐまれた。
 岡山市の南部にひろがる大麦の畑が風に揺れて穂波をうねらせている。

f:id:takase22:20210420103207j:plain

f:id:takase22:20210420103234j:plain

 麦畑は日本では少なくなっている。久しぶりに青々とした畑で風に吹かれて気持ちがよかった。
・・・・・・

 アメリカではコロナ禍の影響で、アジア人に対するヘイトクライムが増加している。

 ジョージア州では3月16日、アジア系の従業員が多く働くマッサージ店複数を21歳の男が相次いで銃撃し、アジア系6人を含む8人が死亡する事件まで起きている。
 日本人も被害を受けており、ニューヨークでは、日本人ジャズピアニストの海野雅威(うんの・ただたか)さんが暴行を受けて重傷を負った。
 
 「Stop AAPI Hate」の報告書によると、2020年3月19日から2021年2月28日までの1年間で、アジア系アメリカ人をターゲットにした差別的な事件が、少なくとも3795件あったという。

 アジア人差別に抗議の声をあげる「Stop Asian Hate」には、テニスの大阪なおみ選手や錦織圭選手らもメッセージを発信している
 なかでも飛びぬけたインパクトを与えたのが、韓国の7人組ヒップホップグループのBTSで、彼らのツイートは1時間で50万以上リツイート、80万以上「いいね」されたという。

f:id:takase22:20210421021740j:plain

BTS防弾少年団

 このBTS、世界中ですさまじい人気で、「社会現象」と言われているそうだ。

 私のまわりの若い人たちBTSはじめK-Popグループのファンが多い。日本のアーティストよりずっと魅力的だという。彼らにBTSって何の略なんだと聞くと「バンタンソニョンダン」(防弾少年団)とすぐに韓国語で返ってくる。

 最近では4月17日、公式YouTubeチャンネル「BANGTANTV」を通じて、BTS LIVE STREAMING「BANG BANG CON 21」(部屋で楽しむ「BTS」のコンサート)を開催。最大同時視聴者数が270万人を超えたという。

 BTSの人気を支えているのは、ネットでの発信で、エンターテインメントの世界に革命をもたらしたとまでいわれているらしい。
 コロナ禍の去年6月、韓国、米国、英国、日本、中国など107地域の約75万6600人のファンをネットを通じて一堂に集めるリアルタイムライブ公演「BANG BANG CON The Live」を行って話題になる。これはギネス記録にもなった。
 《昨年7月、英国ギネスワールドレコードは公式ホームページを通じて「『BTS』の『BANG BANG CON The Live』が、最も多くの視聴者が見たライブストリーミング音楽コンサートとして、新しいギネス世界記録を達成した」と発表。続けて「『BTS』はK-POPアーティストとして初めて、米国アルバムチャート1位の記録を含め、韓国最多アルバムセールス、ツイッター最多活動(平均リツイート数)、最短TikTokフォロワー100万人突破など多数のギネス記録を保有している」と明かした。》https://news.yahoo.co.jp/articles/31afe96c12c895142cddec5c3afd1f84e6059961

 BTSのファンはARMYと呼ばれ、独特のコミュニティを作っている。例えば、コロナ禍で経済的に困っている人を支援しあっているという。まさに「社会現象」だ。

 きのう19日には、マクドナルド」が49カ国でBTSセットメニュー(BTS MEAL)を発売すると発表した。メニューはチキンマックナゲットやポテト、コーラで構成され、マクドナルド韓国支社の人気レシピのスイートチリソースとケイジャンディピングソースも含まれるという。

 さらにきょう、BTSのキャラクターを活用した韓国語の初級学習教材の予約販売が26日から始まるとのニュース。これは売れるだろう。
 日本でも韓国語を学ぶ人々が増えているが、とりわけベトナムや香港など東南アジアでは急増している。

 言葉だけでなく、BTSメンバーの着ている服、身に着けているアクセサリー、使っているスマホや化粧品、乗っている車などなど、発信される情報はARMY経由で世界中に広まっていく。

 韓国カルチャーの躍進は、韓国の国家イメージやMade in Koreaの浸透につながっていく。日本政府は文化・芸術への支援にはいっこうに力を入れないが、このあたり、韓国を見習ったほうがいい。

 参考までにチャンネル登録者数 4830万人のBANGTANTV はこちら。

https://www.youtube.com/channel/UCLkAepWjdylmXSltofFvsYQ

 BTSは日本語でも歌っている。

www.youtube.com

 日本の若者たちがK-popに惹かれるわけを、ある人が、日本のエンタメ業界はテレビも含めて10代の青少年を「おきざり」にしているからだと分析している。

 たしかにテレビは団塊の世代が主要なお客で、コンテンツも年配向けになっている。(テレビ局では「若い視聴者層を開拓せよ」と号令をかけてはいるが)
 
 先月、日本レコード協会は、「第35回日本ゴールドディスク大賞」の受賞作品・アーティストを発表した。

 この1年間に最も活躍したアーティストに授与される「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」の邦楽部門は、嵐が2年連続7度目の受賞、洋楽部門はクイーンが3年連続4度目の受賞。
 そして、「ベスト・エイジアン・アーティスト」は、BTSが3年連続の受賞に加え、「アルバム・オブ・ザ・イヤー(アジア)」、「ミュージック・ビデオ・オブ・ザ・イヤー(アジア)」「ソング・オブ・ザ・イヤー・バイ・ダウンロード(アジア)」など計8冠の受賞となった。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000374.000010908.html

 ここでもBTS旋風。
 それにしても、相も変わらず「嵐」と「クイーン」が毎年トップになる日本の音楽シーンとはいったい何だ? この国は眠っているのか? 「クイーン」なんか買っているのは、おじさん、おばさんだろう。
 これじゃ、日本の若者がK-popに流れるわけだ。

 ただ、私はBTSがそんなにいいとは思わない、悪いけど(べつに悪くないか)。歳のせいか、こういうのはどうも・・・。

 というわけで、きょうのGLIM SPANKY おすすめは「ワイルドサイドを行け」
    アコースティックバージョンの歌詞付きでどうぞ。

 ♪仲間とこじ開ける未来は絶景さ!

www.youtube.com