きのうは私の誕生日だった。
68歳になった。信じられない。(笑)
ナルちゃん(皇太子時代の今上天皇のあだ名)の誕生日が翌23日で、今は祝日になっている。
きのうはとくに外食するでもなく過ぎ、きょうは娘と「ワークマン」に行った。
「ワークマン」は、一昨年、香港行きのたびに、デモ取材のためのヘルメット、ゴーグル、防塵マスク、レインコートなどを買い求めて以来だ。
機能性にファッション性もとりこみ低価格だと、いま「ワークマン」は若い人たちにも人気だそうだ
今日欲しかったのは、まず畑作業用のゴム手袋。軍手で作業していたのだが、土の水分が染み込んで困っていた。それから防水の作業用の靴。作業用ジーンズとアウターだ。
以上4点を娘がプレゼントとして買ってくれた。ありがたい。
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会社をたたんで最初の誕生日に思うこと。
去年、会社とともに私個人も破産して、すっかり身辺整理された。破産すると、いろいろ不都合が出てくる。でも、慣れればどうってことない。
むしろ借金や未払いなど、しがらみや気がかりのもとが整理されてなくなり、すっきりした。
もう一度、「ゼロからスタートしよう」と思って頭に浮かんだのが『ナリワイをつくる』という本だった。ああいう風に生きてみたい・・・
どういう本か、去年5月1日にFacebookに書いた文章を紹介しよう。
https://www.facebook.com/hitoshi.takase.75/posts/10213916307781114
「読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、好きな本を1冊、7日間投稿する」
バトンが回ってきたので、これから7回、よろしくお願いします。
1日目は、
伊藤洋志『ナリワイをつくる〜人生を盗まれない働き方』(東京書籍)
当方、会社が倒産してしまい、現在就活中。
で、参考にしているのがこれ。
ビジネスでもワークでもなく、趣味でもない。DIY・複業・お裾分けを駆使した「ナリワイ」で、現代社会を痛快に生きる。
とオビにあるように、
仕事といえば就職、会社で一つの仕事をする、生活を犠牲にしてやるのが仕事、という考え方をやめようと著者の伊藤さんは言う。
この本が出たのが2012年で、すぐに著者の伊藤さんに会いに行った。
これは今どきの若者に支持されるだけでなく、ポストグローバリゼーションの未来型の生き方だなと思い、テレビで取り上げたいと思ったのだ。(結局、番組化はできずじまいだったが)
会った場所は、彼の七つのナリワイの一つとして運営するシェアオフィスだった。
伊藤さんは、ベンチャー企業で猛烈に仕事をし心身ともにボロボロになった。自分の時間を持てず、友達もできなかった。
そこで、そもそも仕事とは何かを深く考えた。
方向性として挙げるのが、「宮本常一が調査していたような、複数の仕事を持つ農村の生活」だ。
本書では、深い洞察にもとづく現代社会への批判に続き、具体的なナリワイの作り方、そして生活費の減らし方をも実践的に指南してくれる。
「複業」を論じた箇所にこんなことが書かれていて、我が身を振り返らされた。
「例えば、仮にジャーナリストが報道に関して圧力に屈しないためには、ジャーナリスト(甲)を干されても、他でなんとかやっていけるバックアップ(乙・丙)を持っていれば、圧力に屈しないで堂々とジャーナリズム活動で、突っ込むことができる、ということにもつながる・・
このように、専業というのは、単一作物に依存した農家と同じである。」
この哲学からは当然、暮らしの拠点は1カ所でなくてもいい、ということになる。
それが、都会か田舎か、定住か移住かの二者択一を超えた生き方を提案する
伊藤洋志・pha『フルサトをつくる』だ。
共著者のpha(ファ)さんは、去年、フジTVザ・ノンフィクション「好きなことだけして生きていく」で紹介された、日本一有名なニート。
現代社会の閉塞感をぶち破る有力な、しかも楽しい生き方のオルタナティブだと思っている。
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「宮本常一が調査していたような、複数の仕事を持つ農村の生活」とは、要するに「百姓」、耕作も大工も土木作業も屋根の葺き替えもなんでもやる。
ナリワイは、いやいやながら義務でやる「仕事」ではない。自分が得意なこと、あるいはやってみたいことをやる。はじめは下手でも、やっていくうちに技術が身に付き、仲間が増えて楽しくなるという。
著者の伊藤さん自身のナリワイには、果物の収穫手伝いのような季節労働や、手づくり結婚式のコーディネーション、体験型オリジナル海外旅行のツアコンなどもある。融通無碍なのだ。
そんなので生活が成り立つのか?という疑問がわくが、伊藤さんによると、あるナリワイで2万円、別のナリワイで3万円という具合に稼ぎを足し合わせると、高額ではないが、それなりの金額になる。
その一方で生活費を見直し、住居をシェアしたりDIYを増やしたり農作物を作るなどして出費をおさえる。そうするとベンチャー企業で猛烈社員だったときより暮らしに余裕ができ、年に2回の海外旅行ができるほどだという。
よーし、私もやってみよう。
というわけで、いま、そのチャレンジの最中だ。
当面、「書く」、「語る」、「撮る」の三つでやろうと思う。
「書く」はジャーナルな記事やテーマを決めての本の執筆。
「高世仁のニュース・パンフォーカス」は月1本のペースで書いている。本の企画も立ち上げようと思っている。
「語る」では、さまざまなテーマで系統的に話す場を作っていきたい。
去年末から「焚き火のある講演」「焚き火のある風人塾」で宇宙史を語っている。これを聞いた人から、公民館で小学生に宇宙史を語ってほしいとの依頼があり、少しづつ活動が広がりそうだ。大学の授業の依頼も来ている。
「撮る」とは、「ジン・ネット」の映像関連の活動を個人レベルで続けていくもので、まずは、自分史映像(自分の人生をふり返って映像化するもの)を制作することをはじめた。
中国地方で大きな作品の制作注文を受けて進めており、すでに2回の取材を済ませたが、コロナ禍で動けなくなり一時中断している。
先日、Japan Web Fest(JEF=日本ウェブ映画祭)の作品の審査員をつとめたのも「撮る」の活動の範囲か。
一方、去年から「畑」いじりを始めて自分で野菜をつくっている。ほんの”まねごと”で大した生活費削減にはなっていないが、「ナリワイ」のスピリットでやっている。
さらに、まだ会社があったころから田舎への「半移住」も考慮のうちにあり、2017年には「郡上カンパニー」に参加し、土日を利用して郡上八幡の地域振興のお手伝いをした。これは自分にとってもう一つの「フルサト」を作る試みだった。
まだ、ナリワイそれぞれの稼ぎはほんの少しだが、大きな方向性はできかかっており、これからどうやっていこうかと考えている。そして、私自身の人生がそれによってどうなっていくのか、ワクワクしている。
この歳になって実験的な人生設計をやっているわけだ。
今が人生でもっとも自由を味わっているといっていい。ほんとうにありがたいことである。
来年の誕生日には、どんなことを考えているだろうか。
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さて、上の「語る」では25日に「焚き火のある風人塾」で宇宙史を再び語ります。
ご関心ある方はぜひお聞きください。880円で、後日オンデマンドでも聞くことができます。
2月25日(木)21:00から開催します。
講座のタイトルは『気づきの宇宙史 138億年 ②地球に生命が生まれた』。
クォーツから原子、分子、高分子へと宇宙による物質の複雑化・高度化は、太陽系第3惑星に“いのち”を誕生させました。その“いのち”と環境とのダイナミックな関係が、2000万種の生き物が共生する今の地球を作ったのです。私たちは宇宙の一部、地球の一部、そしてあらゆる生き物の一部。「つながりあって、すべてが一つ」のコスモロジーへの「気づき」を楽しみましょう。
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