新型コロナウイルスの感染者は25日、全国で新たに759人が確認された。クルーズ船を合わせた国内の感染者はついに3万人を超えた。新規感染者が600人超となるのは5日連続。
大阪では24日、新規感染者が149人で最多を更新。
沖縄県は25日、新規感染者が14人と、1日の感染者数としては、米軍関係者を除くと過去最多で、県関係の感染者数は計186人となった。
一方、在沖米軍関係者の感染者は連日増え、少なくとも計228人になったとみられ、県関係の感染者数を抜いた。
人口比でみると米軍基地内の感染者はとび抜けて多く、基地全体がクラスター化している印象だ。沖縄は医療インフラが弱いので感染者急増は懸念される。
こうしたなか、「GoToトラベル」キャンペーンで、とんでもないことが発覚した。
おとといの22日から、巨額を投じて始まっているのに、その事務局ができていない!!というのだ。まじっすか!
野党合同ヒアリングで判明した。
《事業費として1800億円を委託した事務局の人員について、原口一博議員(国民民主党)から質問された観光庁の担当者は「人員の詳細については今手元に資料を持ち合わせておりません」と回答。所在地については「知っている職員もおります」としながらも、自身では回答できないとした。
ヒアリングを中断し、担当者が携帯電話で別の職員に連絡をするという異例の展開になったが、「知っておる人間がすべて出払っておりまして、連絡がつきません」と話した。
その後、事務局の場所が判明したものの、現在はまだ設置されていないことがわかり、担当者の「8月から場所として設置されるんだそうでございます」との説明に、野党議員からも思わず笑いが飛び出していた。》
怒るというより呆れて笑ってしまう。
毎日、マンガのような出来事が起きる中、コロナ感染は増え続ける。朝日川柳、言ってやって、言ってやって。
土砂降りの中へ促すピクニック (宮城県 溝越彰)
21日には、山火事が燃えさかる中ピクニックという川柳があった。
雨が降ろうが、槍が降ろうが、ピクニックで突撃・・・。常識に反することにストップがかからないと、大変なしっぺ返しを食うぞ。
こうやって突っ込んだのさ開戦へ (神奈川県 朝広三猫子)
立ち止まって考えようよ。
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PCR検査についてふたたび。
先日も紹介したように、ニューヨーク州ではトランプとは一線を画した必死の対策を採っている。
居住者なら誰でも無料で何回でもPCR検査を受けられる。検査所は病院、クリニック、教会、大学、薬局、ドライブスルーなど数多くあり、一日当たり最大7万件の検査が可能で、感染者を3000人態勢で追跡している。その結果、4月7日は597人の死者が出ていたのがついに7月22日にはゼロになる成果を挙げている。
これはPCR検査が「防疫」に有効であることをはっきりと示す。
PCR検査には、「診断のための検査」と「防疫のための検査」がある。
政府が「検査は必要な人にきちんとやっている」というのは診断のための検査で、防疫のための検査の必要性を政府は認めていない。
しかしイロハの話だが、防疫のためには、できるだけ多くの無症状の人を検査することが必要なのだ。
例えば、スポーツ界では事前のPCR検査がスタンダードになってきている。5月にはJリーグが全選手を対象とするPCR検査の実施を発表。他競技も次つぎに追随した。これは診断のために医師が「必要」とする検査ではなく、防疫のための検査である。
5月下旬から簡便な国産の唾液検査キットが供給されたことで検査が進んできたという。検査を担うのはほとんどが民間の検査機関で、Jリーグは「医療コンサルタントCUC」、プロ野球やプロゴルフは臨床検査大手のSRL(みらかHDグループ)、プロボクシングはBMLに検査を委託。ある業者は、「うちの検査能力は現状で1日約4000件。一般企業からの依頼も増え、今後も設備を増強する」という。
問題は、診断のための検査なら保険が適用されるが、無症状のスポーツ関係者の検査はほとんどが無保険で行われ、1回1万5千円前後かかることだ。防疫のための検査は、繰り返しやる必要がある。選手やスタッフら約3000人の検査を2週間に1度実施するJリーグは、今季の検査費用は10億円にのぼるという。ただ費用はスポーツくじ(トト)の収益から出すことを検討しているという。苦しいのは自腹で検査を行う団体だ。
こうした検査は、「経済との両立」の前提として必須のものではないか。政府が何の対策も採らないまま「経済との両立」に固執するから常識を疑う事態になっているのだ。
誰でも、何度でも無料で(最低限、保険適用で)PCR検査を受けることができる体制を作ることが何よりも優先されるべきだろう。