時疫(ときのえ)に心ならずも春ごもり (横浜市 日下野禎一/朝日俳壇より)
小池都知事が25日、緊急の記者会見で、平日はできるだけ自宅で仕事を行って夜間の外出を控え、特に今週末は不要不急の外出を控えるよう呼びかけた。
きょうの日曜、東京は大雪になり、外出する気もなくなった。3月末にもなって、10センチ近く積もったのには驚いた。
つれあいがヒマをもてあまして、雪ウサギを作った。これは可愛い。目は八角を使ったそうだ。
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アメリカの感染爆発がすさまじい。
新型コロナの感染者が10万人を超え、イタリア、中国を抜いて世界一になった。ついこないだまで、アメリカはまだそれほどでもないなと思っていたのに・・。
激増する患者に治療が追いつかないと現場の医師から悲鳴があがっている。
ニューヨーク市の病院のコリーン・スミス医師が、救急救命室の内部も撮影しながら、必要な医療器具が足りず、キャパシティが限界に来ていることを涙ながらに訴える動画をNYタイムズが転載した。
この中でスミス医師が、あらゆるものが不足し、混乱した状況を説明しながら、苦笑まじりに「ここ、アメリカなんですよね。先進国の」という場面が印象的だ。
アメリカのニューヨークで医療崩壊が起きつつあるとは、おそろしい。
ウイルス禍による人々の暮らしへのダメージはすさまじいものがある。
米国では、先週1週間だけで、失業保険の申請を行った人が300万人を超え、前の週の申請件数の10倍以上に急増した。
これから日本でも多くの店舗、企業が経営難に見舞われるはずだ。フリーランスや非正規労働者は真っ先に雇い止めになるだろう。
すでに収入の道を断たれてしまった人も多い。
《駅近くで座り込んでいた建設業の男性(75)は、「肉体労働者にテレワークなんて関係ない。日雇いなら休めば収入はゼロ。生きていけない」とため息をつく。「誰か補償してくれるんかい?感染よりも、その日の生活が心配だよ」》(26日朝日夕刊の記事より)
「感染より生活」。そのとおりだ。
安倍首相は、28日の記者会見で、リーマン・ショック時を上回る規模の緊急経済対策を行うと表明した。ぜひ多くの人が救済される思いきった対策を早く実施してほしい。
今後、膨大な数の人々に対する収入補償が必須になるはずだが、ならばこの機会に、ベーシックインカムを導入してはどうか。
実際、英国のジョンソン首相は18日、コロナウイルスの感染拡大を受けて、ベーシックインカムの導入を検討すると議会で語っている。
ベーシックインカムとは、すべての人に健康で文化的な最低限の生活を営むための所得を無条件で給付する制度だ。
18世紀末に社会思想家・トマスペインが提唱したとされるこの制度は、夢物語ではなく、すでに欧米先進国の自治体で試験的にはじまっている。
危機は、新たな制度を導入する絶好のチャンスでもある。