新型肺炎対策に後手後手の安部内閣

 きのう昼、たまたまテレビをつけたら「中江有里のブックレビュー」だった。中江有里さんは才色兼備で、いつも見とれ、コメントになるほど!と感心する。
 どうやって本を探すのか、との質問に、

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 本との出会いは、人との出会いと同じ。こういう人に会いたいなと思っていると、出会いがあるように、本が向こうから目に飛び込んでくる。
 また、この本が読みたいと思ったとき、なぜそう思うのかと自分のことを考える。それが大事ではないか・・・・

 

 正確ではないが、そんな意味のことを語っていた。こういうことを、さらりと言えるのがすごい。
 本が読みたくなってくる。
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 新型コロナウイルスの日本での感染拡大が止まらない。
 政府のこれまでの対策については、後手後手に回ったと言わざるをえない。15,16日の世論調査でも、政府の対応に「評価しない」と答えたのが50%で、「評価する」が34%だった(朝日新聞調査)。
 地方自治体で対応が違ったり、中国帰りで熱がある人でも「湖北省縛り」で検査ができないなど、不可解でちぐはぐな規制があり、混乱を印象づけた。

 
 友人が「これがもし民主党政権だったら、3.11のときのようにさんざん叩かれたんだろうな」という。
 今回の事態もある程度、政府があたふたしても仕方ないとは思う。しかし、人の動きが以前とは比較できないほどグローバルになっている今日、感染症への対応は国家戦略として確立しておくべきだと思う。
 韓国には、米国のCDC(疾病管理予防センター)にあたる疾病管理本部(KCDC)という感染症行政を一元的にコントロールする専門時間があり、そこが担当している。こうした機関は日本でも必要だろう。

 
 ただし、今、安倍首相以下、内閣がどれほど真剣に取り組んでいるのかが見えてこない。
 2月14日、日本国内で初めての死者がでた翌日というのに、首相は新型コロナ対策会議はわずか8分で済ませて、3時間の宴会をやってそのまま帰宅したことがツイッターで非難されていた。

首相動静(2月14日)(時事通信
 午前7時31分、東京・富ケ谷の私邸発。
 午前7時41分、官邸着。(略)
 午後4時37分から同5時15分まで、国家安全保障会議高市早苗総務相萩生田光一文部科学相梶山弘志経済産業相竹本直一科学技術担当相同席。同26分から同34分まで、新型コロナウイルス感染症対策本部
 午後6時32分、官邸発。
 午後6時39分、東京・内幸町の帝国ホテル着。同ホテル内の宴会場「桃の間」で日本経済新聞社の喜多恒雄会長、岡田直敏社長らと会食
 午後9時27分、同ホテル発。
 午後9時44分、私邸着。

 たしかに対策本部にいたのは8分だ。

 そもそも政治家よりも、まずは専門家の知見を最大に使うべきだろうに、「専門家会議」の開催を決めたのが、なんと2月14日になってからという遅さだ。
https://www.cas.go.jp/jp/influenza/senmonka_konkyo.pdf

 さらにきょう、小泉環境相、森法務省、萩生田文科相が16日の対策本部の会議を欠席して私的な会合に出ていたことが発覚。

 不要不急の外出や人混みを控えましょうと呼びかけておいて、閣僚自らが後援会の新年会を優先して、一緒に酒飲んでるとは。

 政府はまじめにやっているのか。

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「危機管理上は問題ない」と聞かれてもいないことを答えるのは安部首相の答弁スタイルが伝染しているのか

 ちなみに16日の首相動静は;
 午後2時53分、官邸着。
 午後3時から同21分まで、加藤勝信厚生労働相菅義偉官房長官西村明宏岡田直樹杉田和博官房副長官、沖田芳樹内閣危機管理監、北村滋国家安全保障局長、古谷一之官房副長官補、長谷川栄一、今井尚哉両首相補佐官、佐々木聖子出入国在留管理庁長官、秋葉剛男外務事務次官、鈴木康裕厚労省医務技監。同4時3分から同14分まで、新型コロナウイルス感染症対策本部。
 午後5時1分から同4分まで、新型コロナウイルス感染症専門家会議
 午後5時24分、官邸発。
 午後5時38分、私邸着。

 首相は対策本部の会議に11分、「専門家会議」に3分出ている。いくら会議は短時間で効率的にやりましょうと言っても、これでいったいどんな議論をしているのか?

 いま新型肺炎の拡大は正念場に差し掛かっている。今後、重症者が増えて日本の医療態勢がパンクする可能性がある。
 専門家の意見とこれまでの教訓を十分に生かして、実践的かつ実効的な対策を立ててほしい。