安田純平さん 旅券発給を拒否される

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 日陰にひっそりと咲くミズヒキ。ご祝儀の水引のように紅白(上から見ると赤、下から見ると白)の花をつける。可憐だ。日本のどこにでもある雑草かと思っていたら、沖縄では絶滅危惧種に指定されているという。
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 京都アニメーションの火災は、33人死亡(18日深夜段階)という大惨事となった。日本を代表するアニメ制作会社で、テレビ業界ではその仕事の質が非常に高く評価されていた。犠牲になった方々のご冥福をお祈りします。
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 安田純平さんが先週金曜に、東京都の旅券課から呼び出されて出頭したところ、「一般旅券発給拒否通知書」(10日付け)を渡されたという。安田さんは1月あたまに旅券を申請したが、これまで発給されないままだった。今回、旅券は発行しないと正式に通知されたわけである。
 安田さんのメルマガによると;
 《理由として「 貴殿は、平成30年(2018年)10月24日、トルコ共和国から同国への法規に基づく入国禁止措置(5年間)を受けたことにより、同国への入国が認められない者である。よって、貴殿は、一般旅券の発給等の制限の対象となる旅券法13条第1項第1号に該当する 」と書かれています。
 トルコが入国拒否だからといって、なぜ世界中どこにも行けない「出国禁止」になるのか理解に苦しむ内容です。》
 《発給拒否すること自体が目的と化しているとしか思えない法の運用です》と安田さんは書いているが、シリアでISや他の武装組織に拘束されて生還した各国のジャーナリストで、こんな仕打ちを受けた人を知らない。安田さんは被害者なのに、これでは罪人扱いだ。
 安田さんは、行政不服審査法に基づく審査請求や処分取り消しを求める訴訟を起こすことを考えているという。
 お上に逆らいそうなやつは徹底して排除するという現政権の体質がここにも表れている。

 

 一方、安倍首相べったりのジャーナリストは特別優遇を受けている。山口敬之氏(元TBSワシントン支局長)は伊藤詩織さん「準強姦容疑」で逮捕される寸前、当時の警視庁刑事部長で現・警察庁ナンバー3の官房長・中村格氏に逮捕を中止してもらった。
 しかも、TBSを退社後、菅官房長官の口利きで、某会社の顧問として月々高額の報酬をもらっていたという。
 伊藤詩織さんが山口氏を訴えた裁判の口頭弁論が、7月8日にあったが、裁判にこの高額「顧問料」が登場する。
 《山口氏は詩織さんに対して名誉毀損などを理由に1億2000万円の反訴を提起しており、詩織さんに被害を訴え続けられ、ジャーナリストとしての社会的生命を断たれたことなどで1億円の営業損害を受けたと主張している。注目すべきはテレビ番組出演などの営業収入1400万円ほどに加え、顧問料が2社で約750万円。》https://www.dailyshincho.jp/article/2019/07121845/
 一度も出社することなく、顧問料を受け取っていたのだという。
 同じジャーナリストでもここまで扱いが違うのか。

 現政権下では、法の下の平等という民主主義の大原則はどうでもいいらしい。
 《15日に札幌市中央区であった安倍晋三首相の参院選の街頭演説の際、演説中にヤジを飛ばした市民を北海道警の警官が取り押さえ、演説現場から排除した。》
 一方で、京都では山本太郎の演説をハンドマイクを持って演説妨害した人を警察は黙認。メディアではほとんど報じられないが、自由選挙の根本にかかわることだ。

 ついでに言っておくと、選挙戦での安倍首相の汚い手法は目に余る。
 「立憲民主党」の党名を「民主党」と間違えるのだが、ついうっかりではなく、意図的なネガティブキャンペーンでやっている。幼稚きわまりない。恥ずかしくないのか。

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毎日新聞より