シリアで勝利しつつある「殺戮の主犯格」

 東京都心では昼からどしゃぶりの雨。きょうから関東甲信越で梅雨入りだそうだ。

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 何だ、このサツキは?穴あきブロックから必死に表に出て咲いている。ちょっと笑える風景。
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 今週、印象に残ったツイートから。
 軍事ジャーナリスト、黒井文太郎さん。

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 アサド政権は支配を取り戻した町や村に避難民の帰還を呼びかけているが、人々はなかなか故郷に戻らない。戻ると捕まって拷問され、そのまま刑務所に入れられるケースも多いからだ。
 シリアではアサド政権軍が多くの地域で反政府武装勢力を駆逐し、軍事的にはほぼ決着がついたように見える。この情勢を前に、内戦を終わらせるためにはアサド政権でいいではないかという意見がある。しかし、そもそもシリア問題とはアサド政権の非道をどう終わらせるかなのだった。
 黒井さんは「どっちもどっち」論に陥らないよういつも警告を発している。シリア情勢では、彼の見方が説得的だ。

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 国境なき医師団の白川優子さん。
 彼女は自らの著書『紛争地の看護師』で、医療施設がアサド政権軍とロシア軍から爆撃された体験を書いている。そして、それは誤爆ではなく、明らかに病院を狙った爆撃だった。https://takase.hatenablog.jp/entry/20180913

 いま、反政府勢力が押し込められているイドリブ県ではすさまじい無差別殺戮が進行中だ。

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 シリアでアサド政権の非道を目撃してきたジャーナリストの桜木武史さん。
 アサド政権を「殺戮の主犯格」と呼ぶ。去年出版した『シリア戦場からの声』、お薦めです。

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 安田純平さんはきのう6日、帰国して旅券を申請したが5カ月間発給されていないと公表した。

 ジャーナリストの常岡浩介さんへの旅券返納命令では、30人の有志によるアピールに私も名を連ね「海外渡航の自由が著しく制約され、取材の自由や、市民の知る権利も奪われかねない深刻な状況だ」と国側の行為を強く批判した。
 とくにフリーランスの行動をしばろうという意図が目につく。このままでは報道環境が非常に閉塞したものになっていき、国がおかしくなる。狙われているのはフリーランスだが、メディア企業の報道人が声を上げないのが残念だ。

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 9日(日)のNスペで「天安門事件 運命を決めた50日」が放送される。

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 《中国政府の発表で「反革命動乱で319人が死亡した」とされている天安門事件
 30年たった今も、中国では事件に触れることはタブー視されていて、民主化を求める丸腰の市民を、なぜ、どのように武力で鎮圧したのか、詳細はわからないままだ。
 今回、NHKはその真相に迫ろうと、中国や世界各地に当事者を訪ね、新たな史料を探し出した。そこから見えてきたのは、事件の前から周到に配置されていた軍の姿や、政権内部の権力闘争の一端だった。さらに、西側各国の外交文書からは、欧米の指導者が改革開放を進める中国との経済関係を重視し、表向きは非難しながら、水面下で緊張関係の回避を図ろうとしていた実態も浮かび上がってきた。
 天安門事件による民主化の挫折は、中国の人々に深い傷を残し、その後共産党が強権的な一党支配を進める素地を作ったと言われる。
 番組では、大国・中国の運命を決めた50日間を再検証し、天安門事件めぐる数々の謎に迫る。》
 ぜひ観なくては。