いつも通るニコライ聖堂の側の道。銀杏もだいぶ葉が落ちて、師走の風景だ。
テレビのドキュメンタリー制作の大御所、吉永春子さんのお墓詣りをした。
TBSの「JNN報道特集」でディレクターをしたあと報道局長になり、60歳で退職した後は「現代センター」という制作会社を主宰していたが、一昨年の11月に85歳で亡くなった。
吉永さんは仕事の上ではとても怖かったようだが(私も怒鳴られたことがある)、仕事が終わるととても親切で面倒見のよい人だった。私は一度しか一緒に仕事をしていないのだが、うちの会社が潰れそうになっていたころ、恥も外聞もなく相談に行った。すると某局のえらいさんを紹介してくれ、別れ際に「コーヒーでも飲みなさい!」と大金をポケットにねじ込まれた。この話を書いたら、彼女を知る人たちから「吉永さんらしい」と喜ばれた。歯に衣着せぬ物言いでありながら、右にも左にも彼女を慕う人がいたというのは、慈悲の心だろう。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20180212
初めて経験するお墓詣りだった。行ったのは、赤坂見附の「赤坂浄苑」。受付でお詣りしたい故人の名前を告げると、カードを1枚渡される。ずらりと並ぶエレベーターの扉のようなところでカードをかざすと、しばらくして扉が開く。そこには、故人の遺骨が納められたお墓が運ばれてきていた。春子さんと夫の名前が書かれている。清水がちょろちょろ流れる香炉でお香をあげてお詣りした。亡くなって初めて、生前のご親切に感謝して手を合わせることができた。
吉永春子さんはお子さんがいないこともあり、ご夫妻だけのお墓で永代供養にしたのだろう。駅から2分、都市型納骨堂というものらしい。気軽にお詣りできる点は便利だ。
また、窮地になったらエネルギーをもらいにお詣りにこよう。
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このあいだ、技術実習生の話で、実習生と受け入れ企業の間に監理団体というものがあって、日本の受け入れ企業はそこに毎月数万円の管理費をおさめ、これは企業にとっては余計なコストになっていることを指摘した。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20181209
ところがその監理団体からさらにお金をとる団体がある。例えばミャンマーの場合なら「日本ミャンマー協会」。
「弊協会はミャンマー国労働省およびミャンマー海外人材派遣企業協会(MOEAF)の依頼を受けて求人票および監理団体様、実習実施機関の事前確認等を行う」という。「当協会が委託されている事前審査業務は、ミャンマー政府が労働者を海外に派遣する際に行っている「出国許可」審査プロセス(最終的には実習生への「スマートカード(海外労働許可証)」の発給)の一部」だという。
この日本ミャンマー協会は、「ミャンマー人技能実習生育成会」というのに監理団体を入会させて、入会金と会費を取るほか、「事前確認」の確認手数料を徴収する。
http://japanmyanmar.or.jp/shr/pdf/_ginou/a_7.pdf
http://japanmyanmar.or.jp/shr/pdf/_ginou/160131_j1.pdf
http://japanmyanmar.or.jp/shr/pdf/_ginou/150724_D.pdf
この協会とは何か、とHPを見ると、役員には、中曽根康弘氏(名誉会長)、麻生太郎氏(最高顧問)はじめ政治家がずらり。http://japanmyanmar.or.jp/yakuin.html
この全体が、どこかで見たような日本型ピンハネ・スキームになっているのではないか。
(つづく)