免疫療法の見分け方

 きょう午後6時にノーベル平和賞が発表になるというので、夕方ハラハラしながらテレビを見ていた。下馬評で、金正恩と韓国・文在寅大統領の共同受賞が有力、さらにはトランプの可能性も、などと報じられ、「まさか!」と笑ったものの、だんだん心配になってきた。きょうは、拉致被害者横田めぐみさんの誕生日なのだ。そんな日に金正恩の平和賞受賞発表など冗談ではない。

 結果、性的暴力の被害者救済に取り組んできたコンゴ民主共和国のデニ・ムクウェゲ医師(63)と、イスラム過激派組織「イスラム国」から性暴力を受け、被害の実態を告発したイラクの人権活動家ナディア・ムラドさん(25)の2人に決まり、ほっと胸をなでおろした。
 めぐみさんは、東京オリンピックが開かれた1964年生れだから54歳になる。一日も早い帰国をという思いは私も同じだが、拉致問題の進展はまったく先が見えない。いま金正恩体制がむしろ延命しそうな気配なのと、北朝鮮に対する日本の交渉力が大きく減退していることで、「解決」は遠のいていると見る。とても悔しいが。
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 きのうの補足。免疫療法の中に標準治療とそうでないものがある。国立がん研究センターが以下のようにはっきり区別して説明している。
 《現状では「免疫療法」はさまざまな治療法を含んだ言葉であり、有効性が認められているかいないかに関わらず広く「免疫療法」と呼ばれています。そこで、この情報ページでは一般的な意味での免疫療法を「免疫療法(広義)」とし、科学的に有効性(治療効果)が証明されている治療については「免疫療法(効果あり)」として、分けて説明していきます。》
 《現在、効果が明らかにされ、診療ガイドラインに記載されて標準治療となっている治療方法は、表2の「1)体内の免疫(T細胞など)の活性化を持続する(ブレーキがかかるのを防ぐ)」方法と「2)体内の免疫を強める(アクセルを強める)」方法の一部に限られます。》 
 本庶佑氏と米テキサス大学のジェームズ・アリソン氏の研究をもとに開発されたオプジーボやヤーボイは、ここでいう1)にあたる。
 さらに、「免疫療法(効果あり)」を《国で承認され、国内の診療ガイドラインに推奨の記載がある薬》と《国で承認されているが、国内の診療ガイドラインに推奨の記載がない薬》にわけて、きちんと説明してあるので、関心のある方は参照されたい。
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/immunotherapy/immu02.html
国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト)

 ついで、「免疫療法(広義)」のなかでも「受けてはいけない免疫療法」だが、日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授の勝俣範之さんは、その見分け方を三つあげる。
1.保険がきかない自由診療であること
2.患者の体験談が載っていること
3.「副作用が少ない」「がんが消える」などネットで効能効果をうたっていること
 だまされないためには、以下のサイトを読んでください。
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/nobelprize-opdivo?utm_source=dynamic&utm_campaign=bfsharetwitter&utm_term=.paEWp4XaX
ノーベル賞受賞で相談殺到 誤解してほしくない免疫療法」(岩永直子)