会社の年賀状の写真。TBS報道特集の「イスラム国」から解放〜イラク・モスルの今」。金平キャスターがリポートした特集で、写真はモスルで、右に写っているのはジャーナリストの遠藤正雄さん。取材中、近くでドーンという音がして大きな黒煙が上がった。不発弾処理だったらしいが、掃討作戦での遺体がここそこに残るなか、緊迫した一瞬だった。
ISの首都といわれたシリアのラッカも陥落したいま、IS戦闘員はイラク、シリアの各地へ、さらにその他の国々へと広がっているという。
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さて、夜間中学の話の続き。
夜間中学は1947年大阪と神奈川で、東京はちょっと遅れて1951年にスタートした。戦後の混乱のなか、学校に行けない子がたくさんいたのに対応するものだった。1954年には89校とピークに達した。60年代までは主に学齢生徒(12~15歳)が、昼間仕事をしながら通学した。ところが66年、行政管理庁が、もう夜間なんていらないだろう、とばかりに「夜間中学早期廃止勧告」を出し、関係者に衝撃を与えたそうだ。その後、夜間中学の数は減り続け今は31校しかない。ピーク時の3分の1である。
前回、義務教育未修了者が累計で160万5千人超にのぼるとの衝撃的な数字を紹介したが、近年、いじめ、ひきこもり、貧困など様々な理由で、不登校になり、義務教育を受けられない子どもたちが増えている。
2015年度、小学校の不登校児童は2万7583人で過去最多となった。中学校は70年代、80年代の不登校生徒の割合は1%以下だったのが、2000年以降は2%台後半から3%近くとほぼ3倍になっている。
15歳から39歳のひきこもりの人は、54万5千人といわれるが、実際は100万人に上ると推定されている。義務教育未修了は子どもだけの問題ではない。
去年、弊社では「私には戸籍がなかった」という特集を制作、日テレの夕方のニュース番組「every」で放送した。http://jin-net.co.jp/archives/367
この女性は母親と住みながら10歳まで戸籍がなく、小学校にも通わせてもらえなかった。戸籍のない人は1万人いると言われている。日本という国の根っこの部分が崩れてきているのでは、と心配になる。
ところが、義務教育だから、ということで、実際には学校にほとんど行けなかった人にも卒業証書をあげてきた。「形式卒業者」という。実態は未修了者であるが、これまでは、卒業生扱いで夜間中学に入れなかった。
こうした現実に目を向けてほしいと、夜間中学関係者や超党派の「議員連盟」などが粘り強く運動を続けた結果、去年「義務教育機会確保法」が成立。その3条には「義務教育未修了者は年齢・国籍にかかわりなく教育機会が確保される」という画期的な一文がある。「国籍にかかわりなく」がよく入ったものだ。
これをベースに、今年の3月、文科省は「全ての都道府県に少なくとも一つは夜間中学等が設置されるよう」にせよと指示を出し、これまでの政策を大転換したのだった。
こういう「陽の当たらない」と形容されるところから、日本を良くしていこうという動きが起きていくような感じを受ける。。
先々週、都内のある夜間中学の文化祭に行ったので、次回、報告しよう。