郡上よいとこ

 週末はふたたび岐阜県郡上市へ。
 郡上市で、いくつかのプロジェクトを地元の人たちとともに事業化し、都市部から移住するのを促進するワークショップに参加している。参加者は若い人が多く、私がダントツの最年長者。自己紹介で、みんなに「引かないで一緒に遊んでくださいね」と頼み込んだ。これ、「郡上カンパニー」といい、これから3カ月、これに取り組むことになる。カンパニーと言っても「会社」という意味ではなく、人の集まり、仲間という意味だ。http://gujolife.com/

 「根っこのある生き方を、つくる」というキャッチにすっかり参ってしまったのだ。参加者はみなボランティア。将来、あわよくば私も移住したいと思っている。土曜は朝5時に家を出た。めったに見れない朝焼け、世界は美しい。祝福されているようだ。


 2週間前の郡上は雨だったが、今回はよく晴れた。ワークショップの空き時間に郡上八幡を気持ちよく散策できた。歩くのがとても楽しい町だ。長良川の水が驚くほどきれいで、疏水の側には小道があり、水の町だ。ゆったりとした空気が流れ、通りでおばあちゃんたちが楽しそうにおしゃべりしている。


 古い町並みが残っている。18日の敬老の日、商店街の通りにはいっせいに日の丸が掲げてあった。食堂やスナックに入ると客同士が知り合いですぐに話の輪が広がる。強い共同体意識を感じる。無尽がいまだに盛んで、私の参加したプロジェクトパートナーのTさんは三つの無尽に入っているという。無尽自体は本来の金融的機能よりも、交友の場で、月一回どこかの飲み屋に集まって飲み代を少し多めに出し、余ったお金を貯めて旅行に行ったりするのだという。町並みばかりでなく、人と人のつながりもレトロである。


 一方、洒落っ気というかセンスの良さもあって、モーニングを食べに喫茶店に入ったら、コーヒーカップの下に、落葉した柿の葉が敷いてあり、感動させてくれた。
 失礼ながら、岐阜県は地味な存在である。私自身、岐阜県には数年前に一度、取材で刑務所の受刑者に会いに行っただけで、たいへん縁の薄い県である。しかし、郡上市を知って、この地が大好きになった。いやあ、実にいいところです。郡上報告はまたあらためて・・
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 民進党枝野幸男代表が、立憲民主党という新党を立ち上げることになった。もともと、民進党には政治的な方向性が大きく異なる人たちが同居していて、政権を獲る政党ではなかったから、小池百合子劇場の激震の結果とはいえ、これである意味すっきりした。
 でも、あらためて「リベラル」って何?と考えてみるとけっこうややこしい。昔は、革新系候補という言い方をしていたが、その代わりに出てきた言葉のようだ。共産主義は決して本来の意味のリベラルではないのだが、今の日本では、大きなくくりで左翼はリベラルということになっている。このあたりの政治ジャーナリズムにおける言葉の使い方、何とかしてほしい。