アートとごちそうを堪能した休日

 9日の情熱大陸「森本喜久男」いかがでしたか。
 見逃した方は、あすまで番組ホームページの「見逃し配信」で見られますのでどうぞ。
 番組の編集終盤は、いつものことだが、オフィスに泊まったり、始発で帰ったりの日が続いた。この歳(64歳)で徹夜ができるとは元気の証拠だから、まあ幸運だと思わなくては。
 休みなしで働いているのは心身に悪いと、学生時代からの友人、桂木恵君が心配してくれて、1泊で彼の上田市の自宅に招かれた。きょうはその12日旅のを写真でつづろう。
 上田は町村合併で真田町を含み、去年のNHK大河ドラマで観光ブームになったこともあって、真田の家紋、六文銭をいたるところでアピール。

 駅の外壁にも六文銭。白壁は養蚕農家のイメージだという

 駅前に「上田全気候展 白井ゆみ枝」の大看板。彼女、教員だった桂木君の小学校時代の教え子で、20年前から知っている。娘たちが初めてスキーをしたときは、真田町の実家でゆみ枝ちゃんの小さいころ使ったスキー板を貸してもらった。東京の美大で学んでいたときにうちに遊びにきたこともある。それが今や、白井ゆみ枝画伯として、上田在住の代表的なアーティストの一人。上田市美術館で2カ月にわたる個展をやっていたのでさっそく見学。画伯自身に案内してもらった。
https://www.youtube.com/watch?v=RJvsQ2XrYvQ


(下の写真は作品を準備中のもの、HPより)
 ゆみ枝ちゃんの作品を観ていると、大変な才能なんだろうな、ということだけは感じられる。創作意欲が溢れてきてどうしようもない、という迫力がある。回廊のガラスには、ゆみ枝ちゃんの指導で小学生がワークショップで描いた絵も。

 桂木君は、小学校時代、同級生同士で写生する授業をしたさい、ゆみ枝ちゃんが友だちの全身を描こうと、画用紙を2枚、3枚と下に継ぎ足して下半身も入れて足先まで描き切ったというエピソードを教えてくれた。当時からタダモノじゃなかったよ、と桂木君。ゆみ枝ちゃんもこのことをはっきり記憶しているそうで、「先生には、ほんとに自由にやらせていただいてありがたかった」と言う。ご両親ふくめ、見守ってくれる人の存在は大事だな。
 売店でゆみ枝ちゃんの絵本を買い求めた。題して『今もなおやってくるその前に』。わからないけど、すごい! これはゆみ枝ちゃんが美学生だったころの作品で、当時見せてもらったときに得体のしれない迫力を感じた。この娘の将来はどうなるのかな、と注目していたが、やはりブレークした。今後の活躍が楽しみだ。

 昼ごはんは、「アグリカフェあまてる」という築500年の古民家を改造したレストランで。

https://www.hotpepper.jp/strJ001101807/
 蚕室だったところを利用して、天井の高いヨーロッパ風のスペースにしていた。いい雰囲気だ。

 真田町温泉でくつろいだあとは、東御市の懐石料理「草如庵」で夕食。http://www.nagano-wine.jp/restaurant/pickup/632/

 桂木君が予約してくれたのだが、昼、夜それぞれ2組か3組しか入れないそうだ。ここの酒と料理は、もうすばらしいの一言。食前、秋田の酒、「新政」のNo6というのを初めて飲み、あまりのうまさに、こんな日本酒があるのか?と驚いた。

 さまざまな山菜を取り入れた懐石料理の数々に、うわ!、すばらしい!と歓声をあげる。繊細なうまさに感動。(グルメじゃないので、味を表現するボキャブラリーが少なくてすみません)とにかく、うまい!

 このレストランも、やはり養蚕をやっていた農家を改装したという。
 上田は「蚕都」と呼ばれるほど、この一帯は養蚕が盛んだった。レストランも、その特徴を生かして作られている。料理や飲み物は、外国人のツーリストにも自信をもって勧めることができるクオリティである。非常に魅力的な観光スポットが数多くあると思った。

 翌朝、帰りの新感線で、「信濃毎日新聞」を拡げたら、「信毎俳壇」に稲畑汀子選で、こんな句が載っていた。
    幸せは些細なことよ桜餅   (岡谷市 吉池富貴勇

 実にいい休日だったな。

朝の裏太郎山