めぐみちゃんと家族のメッセージ〜横田滋写真展

takase222017-01-07

きょう、「報道特集」の第2特集【緊急報告!モスル奪還作戦】が放送された。
《各国でテロが相次ぐ中、イラクでは第二の都市モスルを過激派組織「イスラム国」から奪還する戦いが続く。解放された周辺の町、難民の苦境などを金平キャスターが報告》という内容で、年末年始の取材にジン・ネットが協力した。
 FBとツイッターでは事前告知したのだが、ブログでお知らせできずに失礼しました。中東の問題は日本では「遠い話」として敬遠されがちだが、最も酷い人道被害が起きている地域であり、少しでも多くの人の目に留まるような報道に努めたい。
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 月が少しづつ太ってきている。

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 3日の夜、映画から帰宅する途中、金星が三日月のすぐそばに光っているさまが珍しくしばらく眺めていた。この夜は多くの人が空を見上げていたらしく、西表島の芸術家、石垣金星さんがFBにみごとな写真を載せていた。「金星とお月さまの口づけ」というすてきなタイトルをつけて。
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 きのう、新宿高島屋「めぐみちゃんと家族のメッセージ〜横田滋写真展」を観てきた。
 横田めぐみさんが拉致されたのが1977年11月で、今年がそれから40年になることから、横田夫妻と同じマンションの住民でつくる「あさがおの会」が企画した。(後援朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASK153TRRK15UTIL00V.html
 すばらしかった。非常に力のこもった企画で、写真展としては質量とも過去最高のものだと思う。初日の5日には横田早紀江さんと池上彰さんの対談もあり、11階の特設会場には拉致されるまでの13年間に両親が撮影した写真など約160点が展示されている。
 めぐみさんが写っている写真5枚をはじめ、はじめて公開されるものも多い。
 例えば、生後3〜4か月のめぐみさんが腹ばいで初めて首を持ち上げた時の写真は両親の喜びが現れていて、じんとくる。「初めて首をもちあげ四つんばいになったので、二人でうれしくて写真を撮りました」との早紀江さんのキャプションがある。昔、私も、まったく同じポーズの長女を撮影したが、その時娘がにっこり笑った顔に感動したのを思い出した。
 その他、靴を履いての初めてのお出かけとなった上野動物園でヤギと遊ぶめぐみさん(2歳)、軽井沢の日銀保養所で滋さんに抱かれて散歩するめぐみさん(2歳)、大田区池上本門寺で早紀江さんと一緒のめぐみさん(3歳)などは初公開だ。
 一枚一枚写真を見ていくと、めぐみさんが可愛らしいのはもちろんだが、滋さん、早紀江さんの本当に幸せそうな表情に胸をつかれる。

 写真の他、小さいころから習っていたバレーの衣装、早紀江さん手作りのワンピースやブラウス、めぐみさんが大切にしていたぬいぐるみやオルゴールなども初めて公開された。
 拉致された年の正月にめぐみさんが書いた書き初めもあった。めぐみさんが完璧なものにしようと何度も何度も書き直し、見かねた,早紀江さんがもういいかげんにしなさいとやめさせた一枚で、「元朝の志」としたためてある。一つひとつのゆかりの展示品にめぐみさんの存在が生々しく感じられ、苦しくなるほどだ。
 寄居中学校の合唱コンクールで歌う集合写真(これも初公開)のそばに、小学校卒業の謝恩会で「流浪の民」を合唱した際にめぐみさんがソロで歌った箇所“慣れし故郷を放たれて 夢に楽土求めたり”の歌声を流しているコーナーがある。きれいなソプラノを聞きながら、心からめぐみさんたち拉致被害者の無事と帰還を願った。

 これほどの写真展はおそらく最初で最後になるだろう。
 あさがおの会」の人と話すと、支援者の高齢化も進んでいて、きょうは何号の誰さんが入院した、などという会話が日常になっているという。展示の企画から会場の設営まで、大変な作業だったというが、展示期間中も「会」からは毎日3人づつ3シフト、つまり9人が写真展に詰めている。高島屋が応援スタッフを出してくれていても負担はかなりのものだ。「最後になる」と書いた所以である。
 展示は10日まで。ぜひこの機会に写真展に足を運んでください。ほんとうにすばらしい展示です。そして、近年メディアでもあまり取り上げられなくなった拉致問題に今一度関心をもってください。

 ところで、会場の入り口で「あさがおの会」の人から署名帳に名前を書けといわれた。見るとそこには二人、池上彰さんと小池百合子さんの署名だけがある。「いや、私は著名人じゃないので・・」と断わったのだが、ぜひにと言われ、おこがましくも3人目にサインした。拉致問題解決のために微力でもがんばらなくちゃな。