緑という色が美しいわけ

桜の木の下、花がじゅうたんのように咲いている。

国立市の駅からのびる大学通りは桜並木で知られるが、多くが古木だ。
幹に苔が生えているのは「シブ」くていいなと思うが、代謝が弱くなった結果だという。

国立市には「くにたち桜守」があり、根っこに踏圧がかかるのを防ぐため、根本に花を植える活動もしている。それが花のじゅうたんの理由だという。
来年も立派に桜の花を咲かせてくれるように。
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うちのスタッフが熊本取材から戻ってきたが、想像以上の被害だという。道路が寸断され渋滞がひどいそうだ。支援物資の届き方に大きな差があり、ほとんど入っていないところがあるらしい。
私は現地に行けないから、支援金をどこに送ろうかなと考え、東日本大震災でも活躍し機動力に定評のあるRQ災害教育センター(今回「RQ九州」が立ち上げられた)を選んだ。
募金先はhttp://rq-center.jp/news/2005

物資を送りたい人は以下を参照されたい。必要な物資が重要度ごとにランクづけされている。
【急を要する物資】に「綿棒(子ども用)」が挙げられ、「生理用品(ナプキン)」が【充分数がある物資】(「要らない」ということ)になっているなど、意外なことに気づかされる。
なお、いまだに「古着」を送る人がいるが、これはご法度。やめてくださいね。
http://rq-center.jp/news/2088
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さて、先日、「なぜ葉っぱは緑なの?」と問いを振ってそのままになっていた。

葉緑素クロロフィル)が光合成に使う光の波長は、だいたい人間の可視光線の範囲(400 〜700 nm=ナノメートル)だ。
そのうち、クロロフィルは、青に見える短波長域(430nm前後)と赤に見える長波長域(680nm前後)の光を効率よく吸収する。緑に見える550nm前後の中波長域は効率が悪く、吸収されるまで何度も反射を繰り返したり、吸収されないまま通過したりする。
反射したり通過したりして葉から出てくるのが中波長の光なので、人間には緑に見えるのだという。
http://www.ccs-inc.co.jp/s2_ps/s1/s_04/column/light_color/vol13.html

なお、緑色は人間の眼に「やさしい」などと言われるが、これも根拠がある。
「視感度」という言葉がある。人間の目は、光の波長ごとに感じ取りやすさが違うのだという。
例えば、明るいところで青色の450nmの波長の1,000個の光子を目に受けた時に感じる光の強さは、緑色の555nmの波長の38個の光子を目に受けた時に感じる光の強さに等しい。つまり、緑は青より30倍近く感じやすいわけである。
また、赤色の700nmの波長の1,000個の光子を目に受けた時に感じる光の強さは、緑色の555nmの波長の4個の光子を目に受けた時に感じる光の強さに等しい。緑は赤に比べ250倍も感じやすいのだ。
人間は緑の波長域で視感度が最大となる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%94%E8%A6%96%E6%84%9F%E5%BA%A6

人間の生物的な機能からして、緑という色が一番らくに見れるのだ。
なるほど、緑が美しく見えるわけである。

40億年におよぶ地球生物史を経て、我々生物はみな、緑に生かされている。
しみじみと感謝の念が湧いてくる。