病院を狙って爆撃するロシア

 一面白い花を咲かせる家の近くの梅林。

 実を採るために樹高を低くしているので、ずっと向こうまで見渡せるのがいい。
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 最近気になったニュースから。
 1月15日、大阪市議会で「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例」が可決成立した。
(議会内で審議中にカラーボールが投げ入れられるという一幕もあったhttp://www.asahi.com/articles/ASJ1H6T45J1HPTIL02L.html

 条例づくりのきっかけになったのが、京都朝鮮学校に対する在特会ヘイトスピーチ事件だった。この民事裁判で、2014年7月、大阪高裁が一審判決を支持して異例の高額賠償を命じた。
《「在日特権を許さない市民の会」(在特会)のメンバーらが、京都朝鮮第一初級学校(現・京都朝鮮初級学校)の周辺で繰り広げた人種差別的な表現の演説や街頭宣伝(ヘイトスピーチ)に対し、朝鮮学校側が名誉毀損にあたるとして損害賠償を求めていた裁判の控訴審で、2審の大阪高裁は7月8日、在特会側の控訴を棄却し、1審の京都地裁に続いて在特会側に約1226万円の高額賠償と街宣の差し止めを命じた。》(朝日新聞
 その二日後、当時の橋下徹市長は記者会見で、「最近ひどすぎる。一定の対応策が求められる」「大阪市内で認めないというメッセージを出す」と語り、条例案の作成へと進んだのだった。
 ヘイトスピーチ自治体が条例を作ったのは全国で大阪市がはじめてで、これ自体は大きな前進だと思う。
 しかし、このことから、一部リベラル派が、朝鮮学校に無償化制度を適用しないこと自体がヘイトスピーチと同様に特定民族への差別・排除であると主張するのはおかしい。本来まったく別問題なのだ。
 もっとも、北朝鮮の核実験やミサイル発射と朝鮮学校の扱いを連動させる自民党のやり方にも賛成できないが。
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「シリア停戦」とやらが発効した。
《米国とロシアが提案したシリア内戦の停戦が27日午前零時(日本時間午前7時)に発効した。現在のところ、当事者のアサド政権と反体制派主要勢力が戦闘を再開したとの情報は流れていない。
 2011年から続くシリア内戦では、死者が少なくとも25万人に上り、400万人以上が難民として国外に逃れたとされる。本格的な停戦が実現したのは過去5年で初めて。
 ロイター通信によると、反体制派主要勢力は26日、停戦発効に先立って「97の反体制派勢力が2週間、停戦を尊重するだろう」と説明。アサド政権は停戦を受け入れる姿勢を示しつつ、「攻撃を受ければ反撃する」との立場を取っている。
 米ロは22日に停戦に当たる「敵対的行為の停止」を提案する共同声明を発表。受諾可否の通告期限となっていた26日正午(日本時間午後7時)までに、アサド政権と反体制派から受け入れが伝えられていた。
 ただ、過激派組織「イスラム国」(IS)と国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」などは停戦の対象外。アサド政権側はこうした組織への攻撃を継続する姿勢を示しており、シリア全域で戦闘が停止するわけではない。
 ヌスラ戦線は26日、音声メッセージを発表し、停戦受け入れを表明した反体制派にアサド政権側への攻撃を強化するよう訴えている。》(中日新聞
 アメリカがプーチンに屈した形で、民衆虐殺をもっとも精力的に進めるアサド政権を当事者にするというのだから、悪魔の取引である。
 日本のメディアは「停戦」なら何でも善というスタンスだが、アサド側はテロリストは攻撃を続けるというのだから、このままでは、アサド政権とロシアの思うつぼだ。
 「97の反体制派勢力」といっても、最強の反政府勢力であるヌスラ戦線からの支援なしにはまともに戦えない。このヌスラ戦線を和平協議からはずした時点で、アサドのペース。ロシアはISは叩かずにヌスラ戦線を主要なターゲットにしている。
 15日、シリアのイドリブ県で「国境なき医師団」の病院がジェット機に爆撃され、患者16人、職員9人が殺害された。このほか少なくとも職員10人を含む11人が負傷した。標的を確実にしとめるために計画的に2回攻撃する"ダブル・タップ"という手法がとられており、「間違って」ではなく病院を狙ったと思われる。
http://www.msf.or.jp/news/detail/headline_2744.html
 まずロシア軍機に間違いない。
 プーチンは最近、好きなように世界を動かしているように見える。ロシアの汚さは度を超しているが、メディアの批判は弱い。