安保法制適用第一号は南スーダンか

takase222015-09-28

今夜はスーパームーンだそうだ。
国立天文台によりますと、28日は月が地球に最も近づく日と満月になる日とが重なることから、月の見かけの大きさがことし最も大きくなるということです。最も小さく見えるときの満月と比べると、28日夜の満月は、直径がおよそ14%大きく、30%近く明るく輝いて見えるということです。》

9月は梅雨かと思うほど雨が多かったから、月を見るのも久しぶりのような気がする。
見事ないい月だ。
外で、椅子にもたれて30分ほど月を眺めていた。
あまりの明るさに、月光が頬の肌で感じられそうな気さえする。虫の音も心地よく、感動的な時間をすごした。
生きている意味を感じるのはこういうときだ。
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難民問題が注目を浴びる中、「難民受け入れは積極的平和主義の一部」という緒方貞子氏の発言がここ数日よく引用されている。
緒方氏は91年から00年まで国連難民高等弁務官(UNHCR)をつとめた、傑出した国際人だけに、その発言は影響力がある。24日の朝日新聞に出たインタビューだが、歯に衣着せずに日本の原状を切っている。
http://digital.asahi.com/articles/ASH9P2VWLH9PUHBI00H.html

―日本の世界との関わりや国際貢献で言えば、日本政府は今、「積極的平和主義」と言っています。
 「言葉はね。だけど、積極的平和主義をしようとしたら、そのためにどういう犠牲を払う用意があるか、というのをほとんど聞かないでしょ。だから、お言葉だけというふうに私は受け止めています」
―どういうものが積極的平和主義と考えますか。
 「例えば、難民の受け入れは積極的平和主義の一部ですよ。本当に困っている人たちに対してね。それから開発援助も底辺に届くようなものをどれだけやるのか。それが積極的ですよ。難民の受け入れに積極性を見いださなければ、積極的平和主義というものがあるとは思えないと言っていたと、書いて下さい」
―国連平和維持活動(PKO)はどう見ていますか。
 「PKOについては、私は(自衛隊の派遣に)相当期待していました。だけど、危ないところにはお出しになりませんよ」
―犠牲が出る可能性をきちんと議論したうえで、ということですか。
 「どのくらいの犠牲を払う用意があるかということについて、もうちょっとはっきりお考えになる必要があるんじゃないですか。そういう議論をおっしゃらないもんね。おっしゃれないかもしれない。今の日本の考え方は、みんな『犠牲はない』と。だけど積極的平和主義はやると。そういう矛盾の中で暮らしているんじゃないですか」

PKOはどんどん出しなさいと言っているように聞こえる。
PKO集団的自衛権ではなく、集団安全保障に関する問題で、今回の安保法制論議の中では扱いが小さかったように思う。

しかし、安保法制の成立後、安倍内閣が一番早く手をつけたのがPKOの駆けつけ警護だった。
《政府は、安全保障関連法の成立を受け、アフリカ・南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊の武器使用基準を緩和し、来年5月の部隊交代に合わせて任務に「駆けつけ警護」を追加する方針を固めた。19日に成立した安保法のうち改正PKO協力法を反映したもので、早ければ2月にも新たな任務を盛り込んだ実施計画を閣議決定する。自衛隊の活動に安保法を適用する初の事例となりそうだ。》
朝日新聞24日付)
http://www.asahi.com/articles/ASH9R4CM7H9RUTFK002.html

 《南スーダンPKOは自衛隊が現在参加している唯一の活動。国連南スーダン派遣団(UNMISS)の司令部要員4人と、施設部隊約350人が首都ジュバで道路修繕や医療支援をしている。南スーダンは2011年にスーダンから独立したが、13年末から大統領派と前副大統領派の戦闘が激化。現在もジュバを除く全土に退避勧告が出ている。
 1月に現地視察した中谷元・防衛相は、派遣部隊が比較的治安が安定している首都周辺で活動していることに触れて「まだやれる能力もあるし支援項目もある」と、活動拡大に前向きな姿勢を示していた。
 「駆けつけ警護」の任務追加は、半年ごとの派遣部隊の交代に合わせて行う。当初は11月の交代に合わせる予定だったが、安保法が来年3月までに施行される方向となり、来年5月にも派遣される部隊から適用する。武器使用の手順などを定める「部隊行動基準」(ROE)の見直しや訓練の時間も考慮した。》
いよいよ、安保関連法の適用事例が出てくるのか。
これをどう考えればよいのか。
(つづく)