一度中国に面と向かって抗議してみたら

先日観た映画『ルンタ』の主人公、原一博さんのきのうのブログ。
《27日に焼身したタシ・キ(右)と中央に以下の文を綴った僧ジャミヤン・ジンパ、左はタシ・キの夫であるサンゲと思われる。タシ・キたちがダラムサラに来た時に撮影されたものという。
映画『ルンタ』の中に登場し、2008年にラプラン・タシキル僧院で真実を訴えるために外国メディアの前に飛び出したときの心境を語っているジャミヤン・ジンパは27日に焼身し、翌日死亡したタシ・キの甥にあたるという。2012年には彼の弟であるサンゲ・タシも焼身している。》
チベットNOW@ルンタ」http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51856177.html

写真の真ん中は、映画に登場した僧ジャミヤン・ジンパ。中原さんのブログには、家族同様に親しかった叔母の焼身を知った彼の心境がつづられている。
《今日、彼女が焼身したと報じられても、私は信じることができず、呆然としている。長年親しんできた身内の人が亡くなったと知ることは耐え難いことである。これは、愛する弟であるサンゲ・タシが焼身したと知った時と同じく受け入れ難いことである。叔母がインドから旅立つ時、私は特別に悲しく涙が止まらなかったことを思い出す。それは、二度と会えなくなるという印だったのかと今は思う。・・・》
中国共産党は、焼身は分裂主義者がそそのかしている行為だというが、この手記でも分かるように、親しい親戚にも知らせずに一人で決行するようだ。
映画に出てくる女子中学生の場合も、前日両親と遅くまでなごやかに語り合ってから、一人でそっと焼身の現場へと向かっている。
私たちが彼らの心のなかを知るのは容易ではない。
・ ・・・・・・・・・
北京ではあす3日に「抗日戦争勝利70年」の記念式典が行われる。
日本のメディアはこれに参加する朴韓国大統領の動向しか伝えないが、ここに「人道に対する罪」などで国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ているスーダンのバシル大統領も招かれている。
《バシル氏は2009年、推定30万人が死亡したダルフール紛争を巡る戦争犯罪などの容疑に問われており、米国務省のトナー副報道官は8月31日の記者会見で、「中国は国際社会の懸念を重く受け止めるべきだ」と述べていた。》

1日の会見で、これを記者に問われた中国外務省の華春瑩・副報道局長(「それは完全な日本の捏造である!」などとぴしゃっと反論するいつも出てくる女性)は、バシル大統領の式典出席に米国が反対を表明したことに対してスーダンを含むアフリカの人々は反ファシズム戦争の勝利に重要な貢献をしており、大統領の招待は合理的だ」と反論した、という。えっ、スーダンが反ファシズム・・・?
日本はまったく沈黙。
安保法制でアメリカのご機嫌うかがいしているくせに、こういうとき同調して抗議しないのはなぜ?