緑がどんどん濃くなっていく。
見上げるともう真夏の風情だ。
国分寺駅のすぐそばにうっそうとした森が広がっている。
引っ越してきたころは、住宅地になぜこんな見事な森が、と不思議だったが、東京ドームの4.5倍という広大な敷地をもつ日立製作所中央研究所のもの。
「ブラタモリ」でも紹介されたすばらしい環境で、敷地内には、多摩川の支流の野川の水源になっている湧水の池もある。
4月と11月の2回だけ一般公開されているので、こんど入ってみたいものだ。
http://www.hitachi.co.jp/environment/showcase/employee/ecosystem/musashino/index.html
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きょうの毎日新聞に、「安保転換を問う 乱立する『事態』」という社説が載った。
政府が「何とか事態」をたくさん持ち出してきて、どれもきちんと説明されないことを批判したものだ。
《自衛隊に派遣や出動を命じる前提として、日本の安全に影響のある「事態」をどう認定するか。安全保障関連法案では、新しい事態が次々と作られ、基準や線引きが整理されないまま乱立している。
関連法案には、日本への危険度が高い順に、武力攻撃発生事態▽武力攻撃切迫事態▽武力攻撃予測事態▽存立危機事態▽重要影響事態▽国際平和共同対処事態−−などが盛り込まれている。
武力攻撃切迫事態と存立危機事態はどう違うのか。先週の国会審議では、それが議論になった。
武力攻撃切迫事態は、日本への武力攻撃が発生する「明白な危険」が切迫している事態だ。自衛隊は武力行使はできない。
集団的自衛権の行使要件である存立危機事態も、日本の存立が脅かされ国民の権利が覆される「明白な危険」がある事態だが、自衛隊は武力行使ができる。
同じ「明白な危険」があるのに、一方は武力行使ができ、もう一方はできない。二つの事態の「明白な危険」は何が違うのか。
中谷元防衛相は「評価の観点が異なるが、明白な危険かどうかで判断するという意味では、同じような内容ではないか」と違いを明確に説明できなかった。
存立危機事態と重要影響事態の違いもあいまいだ。
重要影響事態は、日本の平和と安全に重要な影響を与える事態で、自衛隊が米軍など他国軍に補給や輸送などの後方支援ができる。
中谷氏は、存立危機事態は重要影響事態に含まれるという趣旨の答弁をしたが、両者の関係は政府内で必ずしも整理されていない。
また岸田文雄外相は、経済的影響だけで軍事的波及がない場合には重要影響事態にならないとの見解をいったんは示しながら、その後、軍事的観点を含めて「総合的に判断する」と答弁を変えた。
重要影響事態と国際平和共同対処事態の違いも不明確だ。
きのうの国会審議では、中谷氏が、重要影響事態にあたる例として、インド洋で自衛隊が行った米軍などへの給油支援をあげた。政府は、このケースは、国際社会の安全のために多国籍軍などへ後方支援ができる国際平和共同対処事態の例として説明してきた。解釈次第で、どんな事態認定もできるということではないか。
「切れ目のない対応」を名目に「事態」を量産した結果、閣僚でさえ内容を整理し切れていない。政府がきちんと法案を説明できないのでは、国会審議の要件を欠いている。》
朝日川柳にこんなのが・・
一括(くく)り「どうでも事態」と名付けては(茨城県 岩井廣安)