「私はシャルリー」とは言いたくない

takase222015-01-14

ガイアの夜明け」放送翌日のきょう、担当ディレクターが、取材対象者や関係者に連絡して番組への感想や反応を聞く。
放送直後から大きな反応があって驚いていたそうだ

生産者のものづくりの情熱、製品が世の中に認められるまでの苦労、生産地を襲う危機と打開策・・・「物語」のある商品は、やはり魅力があり、買いたくなる。以前、「ガイア」で紹介された鎌倉シャツの作り手の熱意に感じ入って、ちょっと高いのだが思い切って買ったことがある。そのシャツを着ると気持ちがしゃんとするから不思議である。「物語」を背負って着ているからだろう。
すでに番組放送中から、みかんジュースをつくる和歌山の伊藤農園と甲州ワインの中央葡萄酒のホームページは、視聴者からのアクセスが集中してつながりにくくなっていた。
明けてきょうになると、通販での商品注文が殺到して大変なことになっているという。
私も伊藤農園のサイトから「お試しセット」(5種のかんきつ類ジュース各2本づつ計10本の詰め合わせで送料込みで2980円)を注文。http://www.ito-noen.com/index.html
ワインは通販サイトから「グリド甲州」を3本注文した。来週の新年会で開けるのが楽しみだ。
・・・・・・・
編集作業であたふたしている最中、フランスで連続テロ事件があり17人が亡くなるという大事件が起きていた。
今になって新聞やテレビでいろいろ学んでいる。
11日にはフランスで370万人という史上最大のデモがあり、人々は「私はシャルリー」と諷刺画を載せたことを擁護するスローガンを掲げ、議会ではバルス首相が「フランスはテロやイスラム過激派との戦争に入った」と演説したという。
9.11の直後の米国を見るようで、落ち着かない。中東で新たな軍事的な動きにつながっていきそうな気配がする。

きょう、銃撃された仏風刺週刊紙シャルリー・エブドが銃撃後初となる最新号300万部を出したが、その表紙に、「私はシャルリー」と書かれたカードを掲げて涙を流すイスラム教の預言者ムハンマドを描いた風刺画を掲載した。
これについては、《ジャーナリストでつくる国際NGO「プレス・エンブレム・キャンペーン」(本部ジュネーブ)は発行に先立つ13日、「緊張緩和が求められる時に配慮を欠き、火に油を注ぐ」と批判する声明を出した。
 同団体は声明で、「過激主義者に屈しないとの主張は理解するが、何でも表現していいわけではない」と指摘。「表現の自由は相互尊重の中で制限される」と訴え、「プロの記者は中傷や侮辱を避けなければならない」と強調した。》
http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2015011400536

どんな風刺画が問題になっているのか、ちょっと調べると、日本の風刺画とはかなり違った、相当にえげつないものらしい。
例えば、2011年の表紙には、預言者ムハンマドが同性愛だという意味の、男性とキスをする絵を表紙に出している。(写真)
ユーモアの感覚が違うのか、私には、何が面白いのか全然理解できずに「何だこれは」というくらいだが、これを見て激怒するイスラム教徒は少なくないだろう。同性愛が死刑にされるイスラム教国もあるくらいだ。
また、例えば、今回の事件で殺害されたイラストレーター、ジャン・カビュ(Jean Cabut)氏は、東日本大震災のあと、やせ細った奇形の力士が相撲をとっている風刺画を描いて話題になった。力士は腕や足が3本で、手の指も3本、震災のおかげで相撲が東京オリンピックの競技になったという設定。
http://blog.livedoor.jp/wkmt/archives/51403217.html
これには菅官房長官が、「不適切な報道で、大変遺憾だ。大使館から同紙に然るべく抗議する」と述べるなど物議をかもした。
私もこういう絵で笑いをとろうとするのは不謹慎だし、被害者が強い怒りをもっても責められないと思う。

「私はシャルリー」とは言いたくない。
(つづく)