難しいのは家族への思いやり

takase222015-01-01

明けましておめでとうございます!
おかげさまで、一家無事に年を越すことができました。ありがたいことです。

ディズニー映画「ベイマックス」を家族で観に行った。
サンフランソウキョウという架空の都市を舞台に、ヒロという日本人らしい少年とロボットが繰り広げる友情と冒険の物語だが、すばらしい映画だった。かみさんも娘らも「よかった」と大満足。
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年末、ある事件の裁判のニュースがあった。
少年が祖父母を殺したのだが、それは母親から「金を借りて来い」と命令された結果だったという。
川口市のアパートで3月、祖父母を殺害し現金を奪ったなどとして、強盗殺人と窃盗の罪に問われた孫の少年(18)の裁判員裁判の判決公判が25日、さいたま地裁であり、栗原正史裁判長は懲役15年(求刑・無期懲役)を言い渡した。
 判決で栗原裁判長は、少年が祖父に借金を断られ、祖父母を殺害した犯行について「強い殺意を持って、落ち度もない2人を殺害して金品を奪った」と指摘した。
 弁護側は少年が母親から殺害を指示され犯行に及んだと主張し、少年院送致の保護処分を求めたが、栗原裁判長は「借金を確実にさせるための追い込みの言葉にすぎなかった。母親の供述にはうそはあるものの、強盗殺人を指示していないという点で信用できる」とし、母親の殺害への関与を否定した。
 一方で量刑について、少年の成育環境が犯行に影響したと強調。「(少年は)母親の極めて不適切な養育で不遇な生活を強いられた。母親に逆らわない性格傾向となり、『殺してでも』などという言葉で、母親に祖父母からの借金を執拗に迫られ、追い詰められた」と述べた。
 判決などによると、少年は3月26日、川口市西川口のアパートで、祖父の無職小沢正明さん=当時(73)=と妻千枝子さん=同(77)=の背中を包丁で刺すなどして殺害。室内から現金8万円とキャッシュカードなどを奪い、市内の現金自動預払機(ATM)から現金を引き出したなどとされる。
 強盗と窃盗罪に問われた母親は9月、さいたま地裁で懲役4年6月を言い渡され、刑が確定している。》(埼玉新聞 12月25日)
 少年は義務教育も受けさせてもらえなかったという。
 家族同士の殺人は、痛ましいと思うが、実は殺人事件の半数以上が家族間で起きているという。
「家族同士の殺し合いが増加 昨年の殺人事件は親族間が53.5%」
警察庁のまとめによると、2013年の殺人事件検挙件数のうち、被疑者と被害者の関係が親族間である割合は53.5%。実に半数以上が“家族同士の殺し合い”という悲劇の結末を迎えている。(略)
2003年までの過去25年、親族間の殺人は検挙件数全体の40%前後で推移してきたが、2004年に45.5%に上昇。以後の10年間でさらに10ポイント近く上昇し、2012年、2013年には53.5%まで増加した。
http://www.news-postseven.com/archives/20141225_291377.html

「四苦八苦」の中に「愛別離苦」(あいべつりく、愛する人と必ず別れなければならない苦しみ)があるが、家族の間で起きることが多いだろう。それだけでなく、家族には「怨憎会苦」(おんぞうえく、嫌な人と会ったり一緒になったりするくるしみ)も生じるということである。これはつらい。
 社会状況の変化など、さまざまな「解釈」があるが、家族間の関係が難しいのは日本だけではなさそうだ。
 マザーテレサがこう言っている。
《自分の家庭の外で人々にほほえむことは、たやすいことです。あまりよく知らない人をお世話することは、実はとても易しいことなのです。あなたの家の中で毎日会っている家族を、おもいやりをもって、優しく、ほほえみを忘れずに愛し続けることはとても難しいことです。》
これはよく分かる。
家族への思いやりも今年の努力目標にしよう。