また新たに戦争がはじまった

takase222014-09-25

いつか見た光景乗せ飛ぶトマホーク (東京都 大和田淳雄)
イスラム空爆を詠んだこんな句が今朝の朝日川柳に出ていた。

イスラム国をめぐる情勢が世界をゆさぶりはじめた。

米国は、シリアでの爆撃を「自衛権の行使」と正当化した。
《米国は23日、中東の過激派組織「イスラム国」への空爆をシリア領内で実施したことについて、「国連憲章51条に基づく自衛権行使」だとする文書を国連に提出した。》
その理屈だが、まずは集団的自衛権」の行使だという。
《米国のパワー国連大使が23日、国連の潘基文(パンギムン)事務総長に提出した文書によると、米国はシリアのアサド政権について、自国の領土を「イスラム国」がイラクへの攻撃拠点としているにもかかわらず、その活動を防げないと指摘。攻撃を受けているイラクからイスラム国への空爆を主導するよう要請を受けたとして、他国が攻撃された場合に反撃する「集団的自衛権」を行使したとしている》

さらに、「個別的自衛権」の行使でもあるという。
《シリアにいるアルカイダ武装組織「コラサン・グループ」の米国などへのテロ計画が最終段階に入っていたこと、米国人記者2人が「イスラム国」に殺されたことを踏まえ、米国は自国民を守る「個別的な自衛権」を行使したと主張している》(朝日新聞

すなわち、米国はいま、集団的、個別的とダブルで自衛権を行使して自衛戦争を始めたと宣言した。
また、あらたな「戦争」がはじまったのだ。

ただし、《国際社会は対「イスラム国」の軍事行動をおおむね容認するが、シリア空爆を巡っては温度差がある。》(朝日新聞

《米国を中心としたシリア領内のイスラムスンニ派過激組織「イスラム国」への空爆で、欧州主要国は参加を見送った。(略)
 英国は今回、偵察飛行などで米国を後方支援する一方、軍事行動への参加に明確な態度は示していない。イスラム国に誘拐された英国人らの命が懸案の上、英国では昨夏、化学兵器使用疑惑に伴うシリアへの軍事介入が議会で否決された。(略)英国防省報道官は23日、イスラム国への対応の協議は継続中とし、今後の軍事攻撃参加の可能性も示唆した。
 イラク空爆を実施したフランスファビウス外相は22日、改めてシリア空爆への不参加を表明。シリアでは「穏健な反体制派を支援し、アサド政権とイスラム国双方と戦うことが必要」との認識を示した。(略)
 軍事行動に慎重なドイツは外交方針を転じ、イラククルド人部隊への武器供与を開始した。空爆参加は否定するが、シュタインマイヤー外相は「それぞれが任務を担っている」として役割の分担を強調した。》(23日、産経新聞

安倍首相はいち早く米国のシリア爆撃を支持した。
安倍晋三首相は23日午後(日本時間24日朝)、ニューヨークの国連本部でエジプトのシシ大統領と約30分間会談した。イスラムスンニ派の過激派組織「イスラム国」に対する米軍のシリア領内での空爆について、首相は「これ以上の事態の深刻化を食い止めるために行われた措置だと理解している」との認識を表明した。》(時事)

米国のシリア爆撃は、ターゲットを「イスラム国」以外へと広げている。
《米当局者は24日、米国主導の有志連合によるシリア領空爆で、アルカイダ系の過激派組織「ホラサン」の指導者、モハシン・アル・ファドリ氏が死亡したとの認識を示した。(略)
ホラサンは、欧米諸国を標的とする攻撃を策略していたとされ、米当局者は西側諸国の差し迫った脅威とみている。》(ロイター)
米国はイスラム国以外に、アルカイダ系とされる「ヌスラ戦線」や「ホラサン」も攻撃している。

こうしたなか、シリア、イラク以外の地からイスラム国に連帯し、米国とその仲間に反撃する勢力が出てきた。
アフリカの「イスラム国」系組織がフランス人を殺害したのだ。
アルジェリアで活動する「イスラム国」分派の武装組織「カリフの兵士」を名乗るグループは24日、人質のフランス人男性(55)を殺害する動画をインターネット上に公開した。AFP時事通信が伝えた。イスラム国は対イスラム国の有志国連合の国民を標的に「市民を殺害せよ」と呼びかけており、これに応じた報復行為の一環とみられる。》(毎日新聞)(写真)

さらに、フィリピンではドイツ人が殺害予告を受けている。
《フィリピンのイスラム過激派アブサヤフがドイツ政府に対し、過激派「イスラム国」に対する米国の攻撃への支持を撤回しなければ、拘束しているドイツ人2人を殺害すると警告していたことが24日までに分かった。(略)
 フィリピン軍当局者によると、拘束されているのはドイツ人男性(71)とその妻の女性(55)。ことし4月、ヨットでボルネオ島とフィリピン南部の間の海域を航行中に、アブサヤフに誘拐された。》(共同)

イスラム国への連帯と支持が世界のイスラム過激派のあいだに広がり、米国を中心とする諸国との対立が激化していきそうな気配だ。
当然、イスラム過激派側が、テロにはしる可能性が出てくる。
すごい勢いで事態が動いていく。

当然、メディアから、常岡浩介さんとイスラム国の映像についての問い合わせがきて、今日はテレビ朝日報道ステーション」に映像提供。常岡さんは海外から電話インタビューに応じた。
スタジオ出演の依頼がいくつもあるので、常岡さんは旅を切り上げ、早く帰国することになった。

次はどんな情報が求められるのか、考えなくては。