袴田冤罪事件で死刑制度を見直す

takase222014-03-30

浅田真央、世界選手権で優勝!
表情がオリンピックのときと全然違う。とてもいい、というか、見てるこっちがうれしくなる笑顔を見せた。よかった。
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きょうも日曜というのに朝から夜までトラブル処理。
といっても、メールと電話で現場とやり取りしながら、こっちは移動もできる。せっかくの日曜、散髪してすっきりした。途中、国立の駅前を通ったら、桜が7分咲きくらいになっていた。もう桜なのか。
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きょうの朝日朝刊に「48年目の「無実」 袴田事件再審決定:下」冤罪発掘、遅れる日本 米、官民で検証も」という記事。
日本は冤罪がまかり通る社会だというのだ。

《確定した死刑判決が、次々と覆されている国がある。米国だ。
 現地の民間団体「死刑情報センター」によると、1973年以来、再審で判決が覆されたり、恩赦を受けたりして無罪となった死刑囚は144人に上る。
 袴田さんの再審開始決定の2週間ほど前にも、米ルイジアナ州の刑務所から、死刑囚として30年間過ごした男性が釈放された。
 活用されているのは、袴田さんの再審開始決定につながったDNA型鑑定だ。
 無実の人を救う活動を展開している米国の民間団体「イノセンス・プロジェクト」(IP)によると、89年以降にDNA型鑑定によって有罪が覆った事件は314件。このうち死刑事件は18件あるという。
 広報担当のポール・ケーツさんは「科学捜査の進歩によって、考えられていたよりもずっと多くの人が、間違って有罪判決を受けていることがわかった」。
 冤罪(えんざい)を掘り起こす、官民共同の大規模な取り組みも進みつつある。IPは昨年7月、米司法省や連邦捜査局FBI)と共同で、過去に毛髪鑑定が有罪に結びついた2千以上の事件で検証を始める、と発表した。
 毛髪鑑定で有罪とされながら、DNA型鑑定で覆った人が相次いだためだ。死刑が執行された事件も対象に含まれ、結果次第では、死刑制度をめぐる議論にもつながる可能性がある。
 一方、日本では、死刑確定事件で、再審無罪となったのは4事件しかない
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 米国との違いはなにか。日本の刑事司法の研究を続ける米ハワイ大のデビッド・ジョンソン教授(社会学)は指摘する。「日本の検察が比較的慎重に起訴していることもあるが、それだけではない。冤罪を探し出す努力が欠けている
 米国と比べて刑事弁護に携わる弁護士が少ない。IPのような民間団体がない。冤罪が疑われる事件を掘り下げた報道も目立たない――。そうした事情も影響しているとみる。
 「人間がつくった制度である以上、裁判の結果に間違いがあるのは当然。大事なのは、冤罪があるに違いないとの前提で探すことだ」とジョンソン教授。確定した判決を、第三者機関などがチェックする仕組みが必要だと指摘する。
 裁判員制度の導入から、まもなく5年。無実の人に、市民が誤って死刑を言い渡すかもしれない時代は、既に始まっている。
 裁判員制度の設計に関わった四宮啓・国学院法科大学院教授はいう。「袴田事件が問うているのは、執行されたら取り返しがつかない死刑制度をこれからも維持し続けるのか、ということだ。それを市民自らが考える時期に来ている」》(朝日新聞


アメリカでは、冤罪をむしろ掘り起こすような積極的な努力がなされていることを知ったのは、近年、旧知のディレクターが取材したIPの活動に関する番組を見たときだった。
そこで思ったのは二つ。
一つは、今の人類の発展段階からいうと、「正しい」社会より、間違ったことを修正できる社会をめざすべきだと思ったこと。
もう一つは、今回の袴田さんの冤罪事件で、死刑制度への日本社会の温度がかなり変わる可能性があるだろうということだ。
日本は国際的にも死刑賛成の人の比率が高い(8割以上)ことで知られる。
私自身もその一人で、死刑制度は必要悪と考えてきた。しかし、今回のあまりにも明白なひどい犯罪捏造を知ると、死刑判決自体が信頼できるのか、根本的な疑問を持たざるをえない。
考え直そうかと思っているところだ。