きょうテレ朝にいったら、まわりは恒例のイルミネーションで、年末ムードを盛り上げている。
昨夜はクリスマスイブというのに、帰宅は深夜3時前だった。
娘へのクリスマスプレゼントは、かみさんの指示で近くの本屋で買った図書カード。「サンタより」と書いて小さなツリーの下に置き、一人でチューハイを飲む。新聞をパラパラ見て4時就寝、7時半起床。ねむい。起きて鏡を見ると、目の下にクマがはっきり見えた。
せわしいと、よくポカをする。気をつけなくては。
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一杯やりながら斜め読みしていた夕刊に、「カラシニコフ氏死去」の小さな見出しが目に入った。「エイケイ」、「アーカー」と呼ばれる自動小銃AK47の開発者だ。94歳だったという。
この小銃は過酷な環境でも故障しにくいといわれ、世界中の紛争地で使われてきた。「世界で一番多くの人を殺した兵器」、「小さな大量破壊兵器」とも呼ばれた。ソ連(ロシア)製だけでなく、漢字が刻まれた中国製のAKもアジア各地でよくみた。
ああ、亡くなったのか。20年前、アラブ首長国連邦での国際兵器見本市で彼に会ったことを思い出した。カラシニコフ氏はロシアの兵器セールスのキャラクターとして会場に現れた。勲章を胸につけた彼に、「あなたが開発した武器でたくさんの人が殺されたのを、どう思いますか」と誰でも聞くような質問をした。
生活をともにした兵隊たちに良かれと思っただけだよ、と素朴な笑顔で答えたことを思い出す。
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いったいなぜ、朝鮮総連によるテレビ局などマスコミへの圧力が「効く」のだろうか。
それは、アメがあるからだ。「北朝鮮を取材させてやる」というアメが。
北朝鮮には2万柱以上の日本人の遺骨が残されたままになっているといわれる。
制裁の一環で日本は渡航自粛措置を執っているが、外務省は、遺骨調査や墓参をその例外として認めた。結果、去年の後半から、「北遺族連絡会」は、8回の墓参訪朝を実施した。
墓参団に同行する形で、日本のマスコミが頻繁に北朝鮮に入国するようになった。そして、決まったように「金正恩になってからの北朝鮮の変化」を伝えてきた。
遊園地のイルカ館のシンクロ美女、高層アパート建築、スーパーマーケット開店、ディズニーキャラクターの演出・・・。
北朝鮮に取材班を入れることを手柄にするマスコミ幹部の功名心が、朝鮮総連の圧力を効果あらしめている。
テレビ局の幹部が、「Aテレビは、うちよりもっと面白い場所を取材してるじゃないか、何でうちはできないんだ」と部下に苛立ちをぶつけた話も聞いた。
いわば、マスコミ各社に「忠誠競争」をさせている格好。
朝鮮総連の組織的凋落がつづくなか、マスコミに影響力を行使できるとは意外だが、日本政府も進めようとしている人道問題が利用されているのだ。
(つづく)