フィリピンで1千万人超が台風の被災者に

takase222013-11-21

すっかりブログをご無沙汰してしまった。
仕事が立て込んでいたのと、会社の決算月で、税理士と打ち合わせたり銀行を回ったり、お金のことでもドタバタしていた。
また、大きな番組が同時進行になったので、資金繰りで苦しむ日々だった。
この業界の仕組みは、テレビ局から収入が入るのは原則として放送の後なので、企画、取材、編集作業での出費は制作会社の先行投資になる。つまり先にどんどんお金が制作会社から出て行くので、いつも資金繰りで悩む。
大きな番組が受注できたのはいいのだが、取材経費も巨額になるので、資金繰りの厳しさも倍加するわけだ。がんばろう。
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写真は札幌のパークホテルの窓からの中島公園。初雪が10月中に降ったというが、紅葉がまだ美しかった。
札幌に講演しに行ってきた。お招きにあずかったのは、なんと北海道神社庁神職研修会で、つまり神主さんたちを前に話すのである。
演題は「美しい日本と神社」。日本の自然と人々の心の美しさを神社が支えていってください、という趣旨だが、後半は福島の大震災被災地の地域とその住民を結びつけている神社への支援を呼びかけた。これについては、またいずれか書こう。
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この間のフィリピン、レイテ島の台風被害はすさまじかった。
私はレイテ島には2回行ったが、印象に残っているのは「貧しさ」だ。家々のたたずまい、人々の身なり、食べもの、そのみじめさは悲しくなるほどだった。
貨幣経済にあまり頼らずに生きているところはアジア各地にあるし、文明の利器はないが質素にきちんと暮らしているところには、私は「貧しさ」は感じない。レイテ島の田舎にあったのは、疲弊した「みすぼらしさ」だった。
記録的な台風がレイテを直撃したと聞いて、ただでさえ脆弱な生活基盤が壊滅したら、餓死者が続出するのではと心配になった。
すると、行政がサジを投げたともとれるこんな記事が。
「レイテ島タクロバン市のロムアルデス市長は13日、救援が進まないとして住民に市外に出るよう呼びかけた。」
町に支援を求めてやってきた被災者を、行政が出て行けと追い払っているというのだ。
「市長は『市政府は食料と水を届けようとしているが、市内の秩序維持が困難だ』と語った。市政府には、退避する住民を運ぶ車両もないという。米CNNは『組織だった復旧と支援の形が全く取れていない』と伝えた。」(産経14日)
ロムアルデスといえば、イメルダ夫人の一族ではないかと思ったら、やはり親戚だった。レイテ島タクロバンはイメルダ・マルコスの出身地。彼女の実家、ロムアルデス家がこの島の政治を牛耳ってきた。今の大統領のアキノ家とは政治的に対立する土地柄だ。アキノ大統領は、地方政府の無能振りを批判、これにロムアルデス市長が激しく反論したという。
「政治的対立が復興の妨げになるとの懸念が浮上している」という報道もあった。被災者が哀れである。餓死や病死がかなり出ているらしい。
被災者は1290万人に上るという。「フィリピンの人口は約9400万人で、被災者は全国民の約7人に1人に相当する。避難生活者も190万人に上る。」(産経17日)
これからの生活の再建は大変だろう。
ユニセフを通じてわずかだが寄付を送ろうと思う。支援が一刻もはやく被災者に届きますように。