その日の苦労は、その日だけで十分

takase222013-07-12

うちのオフィスのある神田小川町の交差点に、風鈴がチリンチリン風に吹かれて鳴っている。
しかし、吹き付ける風は熱風。7月前半でこれほど暑いとは。
テレビで山梨県のブドウが猛暑で大被害を受けているニュースを見たが、農家には死活問題だ。
しかし、もっと暑くなれ!と祈っている人たちがいるという。
週刊朝日が、5月から7月にかけての東電はじめ複数の電力会社幹部と経産官僚との間で交わされた10通のメールを入手した。そこにはこんな本音のやり取りが書いてあったという。
「〈夏は猛暑という世論形成はどうなるのでしょうか? 1F(福島第一原発)の事故で2度の夏を経験。結局、原発なくとも電力がまかなえたので、大丈夫だとの意識が国民に植え付けられているのではないでしょうか。もう、足りないだけでは、国民の意識は変えられない。/(他メールの引用)気温40度が3日間ほど続けば、原発再稼働してほしいとの声が高まるはずです。/天に任せるのも、つらいところです。昔のようにお金だけでは世論は操れず、時代がかわってしまいましたね…〉(経産官僚)
 これは5月頃に経産省幹部官僚と東電の原発部門幹部の間で交わされたメールの一部だが、さらに生々しい記述もあった。
〈今年の夏、気温40度くらいまで猛暑になれば、議会、世論ともに再稼働容認になるだろうとか、つい期待して、毎朝、天気予報を見ています。あがれ、あがれと新聞の天気図に手を合わせていると、ビール飲みながら、笑わせている上司もおります。情けないですが、今のうちには、猛暑頼み、すがるしかありません。株じゃないですが、あがれ、あがれ!〉(東電幹部)
 事故の反省もなく両者が「猛暑」の話でこうも盛り上がる背景には、原発再稼働の命運を決める“一大イベント”を前にしても再稼働に否定的な世論へのいら立ちが垣間見える。
 原子力規制委員会福島第一原発の事故を受けて作った原発の新規制基準を7月8日に施行。これを受け、全国4電力会社が6原発12基の再稼働を申請するという。申請を前に、メールで入念な情報交換をしていたことが読み取れる。」(週刊朝日 2013年7月19日号)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130710-00000002-sasahi-soci
いやはや、日本の原発行政はこれほど品性に欠ける人たちが担っているのか・・
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このところ、思うようにいかないことが束になって押し寄せている感じだ。
そんなとき、マタイの福音書6章の知られたイエスの言葉は癒しになる。

「だから、『何を食べようか』『何を飲もうか』『何を着ようか』と言って、思い悩むな。
それはみな、異邦人が切に求めているものだ。あなたがたの天の父は、これらのものがみなあなたがたに必要なことをご存じである。
何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。
だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である。」

「その日の苦労は、その日だけで十分である」というのがいい。
さあ、そろそろ寝よう。
ところで、「明日のことは明日自らが思い悩む」。これは、明日は明日の風が吹く、という処世訓とは意味が違う。なぜ「あなた」が、ではなく「明日自ら」が思い悩むのか。ここが深いところらしいのだが、いずれ書こう。