上田晋也が拉致問題を取材

takase222013-05-31

2日(日)の午後2時から「上田晋也の緊急報道!」が放送される。
http://www.tbs.co.jp/ueda-houdou/
この第一部は拉致問題で、横田早紀江さんの取材などで私がアドバイザーをしてきた。若い人たち拉致問題にもっと関心をもってほしいという横田夫妻の思いに応えたいと思った。上田晋也は若い人に人気があるから私は期待している。
よろしかったら観てください。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20130509
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きのう、中学校の授業に招かれた。
杉並区和田中学校は、十年前にリクルート藤原和博さんが東京都で初の民間校長になって有名になった。http://www.wadachu.jp/
ボランティアが勉強を教える「土曜日寺子屋」(ドテラ)や、塾が安く受験サポートする補習授業「夜スペ」などの試みをして地域も一緒に学校を盛り上げるユニークな学校づくりをしている。
面白い試みの一つが「よのなか科」という、校外の人を招いて時事問題などを扱う授業だ。廊下の展示を見たら、田原総一郎蓮舫など錚々たるゲストの写真が飾ってある。「おれじゃ、役不足じゃないか」と思いつつ教室へ。
きょうのテーマは「ミャンマーという国を知る」。
私はきょうはミャンマーの専門家である。北朝鮮問題でいろんなところで話をしていたら、2年くらい前から「原発」問題で大学や市民集会に呼ばれ、こないだは「中国問題」で講演。いったい何者なんだ?
普通の中学校では校長は授業をしないが、この「よのなか科」を主宰するのは末吉校長。事前に宿題を出してあり、当日は2時間の授業でこんな質問が生徒に投げかけられた。
「軍事政権後、2011年民政移管がスムーズにできた理由は何か」
「日本はなぜミャンマーに近づいているのか」
「2015年の総選挙で国政が混乱すると言われているが、なぜか」
「今回の安倍首相のミャンマー訪問にはどんな思惑があるか」
えっ!これって専門家でも答えるのが大変な質問じゃないですか。
きょうのゲストは、私とウェンディ・ドッタパさんというチン族の女性だったが、ウェンディさんに「どう思いますか」と言ったら「私も答えられません」。
まず、生徒がグループに分かれて討論してまとまった意見を提示する。生徒にはiPad(企業に交渉して寄付してもらったという)が配られ、そこに文章を書くと前の壁に全部表示される。そこに並ぶいろんな答えを見ながら末吉校長が生徒を指名して答えさせたり、私にコメントさせたりしながら授業を進めていく。
けっこう大変である。生徒は決してお行儀がよいわけでなく、私語はあるわ机に突っ伏した子もあるわ。こっちの話を聞かせるのは一苦労だ。
しかもかなり難しい話をしている。
例えば、スーチーさんは英国人と結婚しているので、今の憲法では大統領になれない。憲法改正には日本より厳しい議員の75%が必要なのだが、軍には選挙なしに自動的に25%の議席を与えているので改正は不可能・・
最後は、ウェンディさん親子が作ってきた「お茶の漬物」ラペソーをみんなで食べた。(写真はラペソーを食べる末吉校長と生徒)
そもそもお茶は、雲南からミャンマー北部、ブータンにかけての地域が原産地だから、煎じて飲むだけでなく、漬物にまでして食べている。
きょうの授業は、交通費もこっちもちのボランティアだが、給食をごちそうになった。柏餅が出た。チン族でも、いつもはうるち米を食べているが、クリスマスなどには(チン賊はバプティストが多い)もち米で甘いケーキを作る。ハレの日にはもち米でネバネバしたものをつくって食べるというのは、この地域から日本が受け継いだ文化だと言われている。
こんな文化的な背景も教えたらいいのに。