危険な中国の「尖閣」暴走

takase222012-09-16

中国でかつてない規模の反日暴動が起きている。
15日からきょうまで三日連続で暴徒化し、山東省青島でパナソニック工場やトヨタ、日産の販売店が放火され、ジャスコが略奪されたのをはじめ、全国で「日本」への攻撃が相次いでいる。
個々の日本人に危害を加える事件もおき、ビール瓶で殴られ怪我をした日本人も出た。エレベータの中で「日本人か」と聞かれ、「韓国人だ」と答えて難を逃れたなどという体験談も伝えられている。
娘は、いま中国に暮らすかつての同級生から「危ないので外出しないように言われている」とメールをもらった。友だちから直接こんなことを言われた娘は、「中国は怖いね」とショックを受けた様子だ。
新聞は、「日中お互いに冷静になろう」という論調だが、一昨年の漁船衝突事件以来、エスカレートしてきているのは中国側だ。今回の事態でも日本側が一方的にやられているだけである。
日本では、きょうも列車の中で中国語をおおっぴらに話している中国人がいる。遠慮している様子はない。焼き討ちされた中華料理屋もない。また、ほとんどの新聞は日本政府に「抑制的に」と訴えている。
中国では、政府も労働組合もマスメディアも「日本から領土を取り返せ」とキャンペーンし、交流行事や観光、商談をキャンセルする動きでどんどん攻めてきている。公安が暴徒の略奪や乱暴を笑いながら傍観していたと報告されている。
中国は尖閣を取りにきていると判断してよいと思う。その前提で対処すべきだ。
近年、ベトナム、フィリピンの島々を力で奪い取った実績がある。
今週、中国の漁船団が来る。数を頼んで領海に入り、島に上陸をはかったりすれば、不測の事態が起きかねない。
また、あさって18日は、満州事変の発端となった「柳条湖事件」記念日。ここ数日が重要だ。
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こういう事態になって初めて、日本人の多くが本気で中国という国家にどう向き合うかを考え始めた。国民の対中認識を深め、変化させる結果になった。
これまでのような付き合いをするのは考えものだぞ、と。
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一方、香港では「嫌中」の興味深い動きが。
香港では九日に立法会(定員70)の選挙が行われたが、その重要争点の一つになったのが教育問題だった。
《中国人としての愛国心を育てる「国民教育科」導入が議論を巻き起こす中での投票だったため、直接枠の投票率は前回を8ポイント上回る53%だった》(東京新聞10日夕刊)
小中学校で計画されていたこの「国民教育科」導入は、市民の反発がすさまじく、投票日前日の八日、七月に就任した香港トップの梁振英(C・Y・リョン)行政長官が撤回に追い込まれた。
《「うおーっ、やったぞー!」八日夕方、香港政府庁舎前で、国民教育科導入に反対して座り込みを続けていた数万人の市民らから地鳴りのような歓声が湧き起こった。梁長官が緊急記者会見で、2016年までとしていた導入期限を撤廃し、採否を各校の自主判断に委ねると発表したのだ。
事実上の計画撤回に、その場で抱き合い、涙を流す市民も。興奮気味に「今後も、中国政府と香港政府の好きにはさせない」と叫ぶ声も響いた》(東京新聞16日朝刊)
香港市民がここまで抵抗した「国民教育科」導入とは何か。
(写真は、事実上の撤回の後の11日、なお「完全撤回」を求めて授業をボイコットし集会を開く香港中文大学の学生=東京新聞
(つづく)