政府・与党の責任放棄

takase222012-06-19

うちの近くで咲くアジサイアジサイは青が好きだ。
台風が近づいて雨風が激しくなりそうなので早めに帰ってきた。
6月でもう台風なのか。
きのうの朝日歌壇。佐佐木幸綱氏がもどって選者四人に。またまた、姉妹とも入選だった。
家庭訪問緊張している先生とキラキラの目のぬいぐるみたち               松田梨子(馬場選)
モーツァルトも五月の空がきっと好きソナタ12番弾きながら思う               松田わこ(馬場、佐佐木)
私は短歌に詳しいわけでもなんでもなく、ただ面白がって、勝手にこの姉妹を追いかけているだけだが、姉妹でもやはりそれぞれ歌風というのか、独特のムードがあるものだなあと思う。梨子さんが理知的で観察眼の鋭い歌を詠むとすれば、わこさんは自分の主観的な世界をストレートに出すように感じられる。
こんなのも入選していた。
「ママのばか」ノートに大きく書いたんだなっとくできないわたしの気持ち               (笠間市)高野花緒
わこさんよりもっと小さい詠み手もぞくぞく出てきている。楽しみだ。
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先週は、野田政権があられもない姿を見せた。
増税に賛成してもらうために社会保障に関する法案は自民案をベースにするというのだ。ここまでなりふり構わぬ姿勢には、怖ささえ感じる。「コンクリートから人へ」などの国民への約束はどこへいったのか。野田政権は、政権交代大義を完全に捨て去った。民主党議員が立ち上がっていまの路線を阻止すべきだ。
これを容赦なく批判したのは東京新聞。14日(木)の一面の見出し。
《政府・与党の責任放棄》
社会保障は自民案軸》
増税だけの「一体改革」》
私はこれまで、小沢一郎氏を好ましく思ってこなかったが、いま彼が言っていることが一番まともに思えてくる。
原発再稼動については、社説でも東京新聞は光っている。
《政府は、大飯原発3、4号機の再稼働を決めた。だが、私たちは日本の未来をあきらめない。原発に頼らない社会を目指そう。節電の夏にも挑もう》ではじまる格調高い社説を紹介したい。
◆安全の根拠はどこに
 原発の再稼働を、このような形で今許すのは、間違いだ。新しい日本が遠ざかってしまう。
 第一に、福島の事故原因がわかっていない。まだ誰も責任を取っていない。誰もきちんと謝ってはいない。そういうあいまいさの中での再稼働なのだ。
 政府はまるでピンポンのように、「責任」というボールを地元に投げ付けて、最終的には、野田首相枝野幸男経済産業相ら関係閣僚の協議で決めた。
 最後が政治判断というのは、間違いではない。だが、それには大方の国民が納得できる科学的根拠が欠かせない。
  政治判断のそもそもの根拠にされた安全基準は、経産省原子力安全・保安院がたった二日で作った即席だ。福島第一原発事故の張本人で、間もなく解体される 予定の保安院が作った安全基準を、国民として信じられるはずもない。新たな原子力規制機関の設置法は、まだ成立していない。原発の安全をはかる物差しが、 今この国には存在しないのだ。
 ところが、関西電力が一方的に主張する「この夏14・9%の電力不足」という予測だけを前提に、流れ作業のように再稼働へと判断が進んでいった。
  非常時の指揮所になる免震棟と放射性物質のフィルターがついたベント(排気)設備は、それぞれ二〇一五年度、防潮堤のかさ上げは来年度にしか完成しない。 地表がずれて原子炉を損傷させる恐れがあると専門家が指摘する、原発直下の断層に至っては、再調査の予定もないという。
 後ずさりする政治をよそに、私たちは、今も変わろうと願っている。政府がなすべきことは、綿密な節電計画を立てて、国民によく説明し、協力を求めることだったのではないだろうか。私たちは喜んで受け入れた。
◆世界はグリーン経済へ
 太陽光パネルや家庭用燃料電池を取り付ける家が増えている。装いは涼しく、エアコンは、ほどほどに。打ち水をし、風鈴を軒に下げてみるのもいい。際限なき電力依存から抜け出そう。
 モニターの数字を見ながら、ゲーム感覚で節電を楽しむ家庭も増えた。
 多くの企業は、直接の経費節減につながり、ビジネスチャンスの宝庫でもある省エネへの取り組みをやめるはずがない。
 二十日からブラジル・リオデジャネイロで始まる「国連持続可能な開発会議」もテーマに掲げたように、世界の潮流は、省エネ、省資源のグリーン経済だ。
 経済の繁栄は、原発ではなく持続可能性の上に立つ。技術立国日本こそ、グリーン経済移行の先頭に躍り出るべきなのだ。
 そのためには、原発の寿命を最大でも四十年と厳しく定め、この間に風力や太陽光、太陽熱の効率利用に磨きをかける。
 移行期間は水力や火力でつなぐ。クリーン・コール(有害排出物の少ない石炭燃焼)技術などを駆使した小規模な発電所を、可能な限り地域に分散配置して、高度な通信技術で需給の管理を図るエネルギーの地産地消が望ましい。
 廃熱を利用し、蓄電技術に磨きをかけ、国内に豊富な地熱や森林(バイオマス)などの資源も、もっと活用すべきである。
 日本経済の未来をひらいてくれるのは、原発ではなく、積み上げてきた省エネ技術なのである。
 国民は原発の立地地域にも、深い理解を寄せている。原発の危険と隣り合わせに生きてきた地元の痛みを感じている。
 原発マネーが支える暮らしは永続しない。電力への依存をお互いに改めて、この国全体の体質改善を目指したい。
◆なし崩しは許さない
 大飯原発3、4号機は、動きだす。しかし、例えば四国の伊方原発、北海道の泊原発と、再稼働がなし崩しに進むのを、私たちは恐れる。安全と安心は立地自治体はもちろん、日本全体が求めてやまないものだから。
 福島の教訓を教訓以上の成果にするため、私たちは立ち止まらない。福島に報いることでもある。原発推進、反対の立場を超えて、持続可能な新しい日本を築く。

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